当院の取組み

がん診療 耳鼻咽喉科

診療科の特色

頭頸部悪性腫瘍に対しては手術、放射線療法および分子標的薬を含む化学療法(抗がん剤)を組み合わせて、癌の根治のみならず生活の質(Quality of life)を損なわないため、機能温存にも考慮した治療法を行っています。特に表在癌、早期癌では最新の機器を用いた低侵襲手術を積極的に行っております。
進行癌に対しても、個々の患者さんの病状・希望に応じ、手術による切除または化学療法と放射線療法の併用治療を行っています。手術は必要に応じて形成外科、外科、などとタイアップしたチーム医療を行っています。放射線治療では積極的に化学療法の同時併用を行い、治療成績の向上を認めています。
治療は、横浜市立大学附属病院と同じプロトコールを用いており、合同カンファレンスで治療方針を決定しています。

がん種

頭頸部とは、鎖骨より上方で、脳より下方を示す領域で、具体的には、口腔、咽頭、喉頭、鼻副鼻腔、唾液腺などが含まれます。この領域に発生する癌を総称して頭頸部がんといいます。
頭頸部がんの組織型はほとんどが扁平上皮癌と呼ばれるものです。一方、唾液腺や甲状腺では腺癌など異なる組織型が多くを占めています。この組織型の違いによって、治療法や化学療法に使用する薬剤が異なってきます。

治療概要(治療実績)

治療法は腫瘍の部位、進行度、組織型、既往歴や合併症などによって異なります。治療方法は、主に手術療法、放射線療法、化学療法の3つあり、これらを組み合わせて行います。具体的治療の内容につきましては、患者さんの状態や病気の進行度によって異なりますので、その都度ご説明いたします。

手術療法

手術を大きく分けると以下の方法があります。

局所切除術

発生したがん本体を切除する方法です。その際、周囲の正常組織も含めて、大きく切除しなければなりません。切除する部位や広さによって、正常機能が失われる可能性があるため、様々な工夫をして切除します。

頸部郭清術

頸部のリンパ節に転移している場合や転移の可能性が高い場合に行われる手術です。リンパ節以外に周囲の脂肪組織、筋肉、神経、血管などを同時に切除することになります。できる限りこれらの組織を温存して、機能を残せるように工夫しています。

再建手術

がんの手術で切り取ってしまった臓器や器官の一部を新たにつくり直すのが再建手術です。欠損した部位に応じて、腕やお腹の筋肉と皮膚、腸の一部など体の別の部分を用いて行います。

放射線療法

放射線治療は、主にX線、電子線などを用いてがん細胞を死滅させたり、少なくさせることができます。放射線単独で行うこともありますが、効果を高めるために抗がん剤と併用することがほとんどです。

化学療法

注射薬や内服薬を使ってがん細胞の増殖を抑えたり、がん細胞自体を破壊したりします。いわゆる抗がん剤と呼ばれる薬による治療です。

治療成績

当院で治療した主ながんの5年生存率当院で治療した主ながんの5年生存率

当院で治療した主ながんの5年生存率です。

セカンドオピニオン