当院の取組み

がん診療 歯科・口腔外科・矯正歯科

診療科の特色

歯肉癌などの口腔癌に対しては、外科的切除を中心に行い、早期症例では、短期の入院機関で良好な結果を得ています。進行例では形成外科などと共同で切除及び再建術を行い、機能を可能な限り温存できるようにしています。また顎の骨を切る手術においてはデジタルテクノロジーを活用し、術後の整容、顔貌の変化をなるべく少なくできるような手術をするようにしています。

横浜市立大学附属病院と連携しており、超進行癌に対しては患者・家族の意向やQOLを尊重し、放射線・化学療法を併用した治療が実施できる施設への紹介を行っています。

がん種

口腔領域の悪性腫瘍は、ほとんどは癌腫で粘膜の上皮から発生する扁平上皮癌といわれるものです。
口腔がんは、そのできる部位によって口唇癌、舌癌、口底癌、歯肉癌(上顎歯肉癌、下顎歯肉癌)、頬粘膜癌、硬口蓋癌などに分けられます。これらのうち、舌癌の発生頻度がもっとも高く、口腔がんの約40%を占めます。そのほかには唾液腺から発生する腺癌や、非上皮性の肉腫、悪性黒色腫、リンパ系組織から発生する悪性リンパ腫などもみられます。
 
悪性腫瘍は一般的に良性腫瘍に比べて、

  1. 病気の進行が速く、できもの(潰瘍、腫瘤)が速く大きくなる
  2. できものが硬い
  3. 周囲と癒着していて、境界がはっきりしない
  4. 他の部位に転移する

などのような共通の性質があります。  
口腔がんでは、主に首のリンパ節(頸部リンパ節)に高い確率で転移を起こします。首のリンパ節転移までは治癒が見込める治療が可能ですが、遠隔転移と呼ばれるそれ以外の部位への転移は治療が難しくなります。

治療概要(治療実績)

口腔癌がんのできている部位や病期、組織の特徴などを総合的に診断して、治療方針を決めますが、一般的には手術療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法の3つの方法を、単独あるいは組み合わせて治療します。

治癒率は、がんの発生した部位や病期により異なりますが、口腔がん全体の5年生存率は60~70%です。初期のものではほとんどの症例は治癒しますので、できるだけ早期に受診することが大切です。

その他

他のがんと同様に原因は不明ですが、喫煙、飲酒、う蝕(むし歯)や合っていない義歯などが慢性的に粘膜を刺激することなどの関与が疑われる症例も少なくありません。また、前がん病変(正常粘膜と比べてがんになる可能性が高い病変)である白板症(はくばんしょう)から生じることもあります。

セカンドオピニオン