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データサイエンス学部&研究科 佐藤彰洋研究室の学生5名が、情報処理学会第86回全国大会において学生奨励賞を受賞!

2024.05.07
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データサイエンス学部及びデータサイエンス研究科 佐藤彰洋研究室の学生5名が、2024年3月15日(金)~17日(日)に神奈川大学 横浜キャンパスで開催された(ハイブリッド形式)、情報処理学会第86回全国大会にて「学生奨励賞」を受賞しました。

情報処理学会全国大会は、情報処理学会*1が年1回(春季)開催する学会最大のイベントで、最新の学術・技術動向や情報に関する新しい研究成果やアイデア発表を通し意見交換・交流を行っています。また、約1,200件の一般講演発表に加えて、招待講演やパネル討論などのイベントも合わせて開催しています。
受賞者の皆さん
左:諸田さん、中田さん、渡邉さん、右:小田島さん、蘇さん

【受賞者のコメント】

データサイエンス研究科データサイエンス専攻
博士前期課程1年(受賞当時)

渡邉わたなべ 潤  じゅん さん

発表題目
データ駆動型*2就職支援システムのアルゴリズムと実装

今回の発表内容について 渡邉 潤さんに解説していただきました。
現在、少子高齢化や大学進学率上昇によって製造業を中心に高卒採用が激化しています。そこで高校ごとの就職状況がわかるオープンデータと実際の企業の従業員のデータを用いて分析し、その分析をもとに必要な指標を用いて就職支援活動(説明会やパンフレット配布など)を行うべき高校を特定し、応募者数の増加と事前理解によるミスマッチの低減を図ることができるアプリケーションの開発を行いました。そして、実際にデータ提供元企業様にこの分析とアプリの提案を行い、「非常に有用」という意見をいただけました。
渡邉 潤さんのコメント
半年間にわたる努力と成果が認められたことを大変嬉しく思います。今年の佐藤彰洋研究室は特に団結力があり、プログラム作成、資料準備、発表練習の他にも食事会や旅行の企画など を通じて互いに支え合いました。その結果、私たちから複数人が受賞するという素晴らしい成果を得ることができたと考えています。これからの一年も、仲間たちと共に切磋琢磨しながら、研究活動に専念したいと思います。
データサイエンス研究科データサイエンス専攻
博士前期課程1年(受賞当時)

小田島おたじま 洋斗  ひろとさん

発表題目
人流メッシュデータ*3を用いたバス輸送効率性評価方式

今回の発表内容について 小田島 洋斗さんに解説していただきました。
バス路線の運行計画の改善を目的とし、人流データからバス路線の公表統計値を推計できるかどうかについて研究しました。具体的には、横浜市交通局バス路線収支報告の営業係数と一日当たりの乗車人員を、人流メッシュデータ:500メッシュごとの時間帯別の平均月次滞在人口数を用いて推計する評価値を提案しました。その結果、人流データからバス路線収支報告の公表統計値の推計が可能であることが分かりました。
小田島 洋斗さんのコメント
賞を頂けて大変嬉しく思います。本研究は横浜市立大学 と総務省との共同研究に実施されています。佐藤彰洋先生と総務省の方々並びに、研究室の仲間の支えがありこの研究に取り組むことができました。この場をお借りして感謝申し上げます。今後も研究を発展させていきたいと思います。
データサイエンス学部4年(受賞当時)

中田なかた 浩亮  こうすけ さん

発表題目
メッシュ統計作成のためのXYZ方式タイルから世界メッシュ方式への区画変換

今回の発表内容について 中田 浩亮さんに解説していただきました。
国土交通省のハザードマップや、Googleマップなどで使われているxyz方式タイルの規格を、国勢調査などで用いられている地域メッシュ統計の拡張版である世界メッシュコードの規格に変換するアルゴリズムを開発し、APIとして実装しました。これによってハザードマップ×人口を例とした、地図画像×メッシュ統計の分析が可能となりました。今回は、この変換アルゴリズムと津波ハザードマップ×人口、洪水ハザードマップ×人口の分析例を発表しました。
xyzタイルから世界メッシュコード2053390500地域(海の公園付近)の標準地図、津波ハザードマップを作成するイメージ図
中田 浩亮さんのコメント
学生奨励賞受賞にあたり、佐藤彰洋先生、研究室の皆さん、家族に心から感謝します。この研究をさらに進め、実社会で活かされるものとなるよう努めていきたいと思います。
データサイエンス学部4年(受賞当時)

諸田もろた 健太朗  けんたろうさん

発表題目
シェアサイクルにおけるメッシュごとの需要タイプ分類と需要予測

今回の発表内容について 諸田 健太朗さんに解説していただきました。
公共交通オープンデータのドコモバイクシェアデータを使って、メッシュにおける昼夜間での利用に差があるかどうかについて分類しました。また、自転車数などのデータを使わずに、メッシュ内の人口や医療機関数、最低標高のデータを組み合わせて、需要のタイプと、量的な利用数を推計するようなモデルの作成をしました。今回の主たる成果として、1つは昼と夜のどちらに機体が集まりやすいのかの分類モデルの作成、もう1つは昼と夜の機体数の差の絶対値の推定モデルの作成です。これらを通して、メッシュから見たシェアサイクルの移動の特性の把握と、新規ポート設置に有効なモデルや変数の検証を行いました。
東京都内のメッシュにおける需要タイプの分類結果のイメージ図
諸田 健太朗さんのコメント
受賞することができて、とても嬉しく思っております。昨年は受賞できなかったので、1年を通して成長したのかなと思い、感慨深いです。まず、今回の研究で多大なるご指導をいただいた佐藤彰洋教授には感謝してもしきれません。また、佐藤ゼミの皆さんにも、発表練習などでたくさんフィードバックをいただき、とても感謝しています。佐藤ゼミという環境にいたからこそ、受賞できたと思っています。ありがとうございました。
データサイエンス学部3年(受賞当時)

 宣榕  せんよん さん

発表題目
ハローサイクリング*4のステーション需要に関する特徴量分析

今回の発表内容について 蘇 宣榕さんに解説していただきました。
シェアサイクルは特定のエリア内に配置された自転車の貸出・返却ポイントを通じて利用できる交通手段であり、公共交通の補完として重要な役割を果たしています。特に近年、新型コロナウイルス感染症の影響で自転車の需要が高まり、シェアサイクル市場も拡大しています。本研究では、公開されたオープンデータを用いて、事例研究により、シェアサイクルの利用数に影響を与える要因を特定し、潜在需要のある地域を見つける方法を提案しました。
シェアサイクル利用可能率の時系列可視化
蘇 宣榕さんのコメント
この度、賞をいただけて大変嬉しく思います。佐藤彰洋先生と研究室の仲間から、様々なアドバイスや助けをもらった結果、この研究がうまく進められました。皆さんに心から感謝申し上げます。これからも研究室の皆さんと支え合いながら研究活動を行いたいと思います!
指導教員 佐藤 彰洋 教授からのコメント
私の研究室に所属する学生には、必修科目としているデータサイエンス研究指導I・Ⅱ(博士前期課程)、卒業研究I・II(学部4年生)、専門領域演習II(学部3年生) において、それぞれが取り組んでいる研究内容を外部発表することを強く推奨しています。今回、2024年3月に開催された情報処理学会第86回全国大会で総勢7名が研究室から発表をしました。日頃の研究室内の議論やゼミ発表では経験がない、外部発表会の事前準備や発表練習は手探りで苦労があったと思います。説明資料を分かりやすく作り、説明できるよう試行錯誤を繰り返しながら皆で考えていきました。このような過程こそが、今回の学生奨励賞受賞につながった要因であると感じています。今後も、研究することの楽しさ、発表に臨むことの面白さを感じ、学修 と成長を続けていって欲しいです。

用語説明
*1 情報処理学会:1960年に設立。情報処理分野で指導的役割の活動をする一般社団法人。
*2 データ駆動型:データを元に次のアクションを決めたり、意思決定を行ったりすること。
*3 人流メッシュデータ:スマホアプリから収集した位置情報を日本総人口規模に換算することで各地の滞在人数を把握できる人流データ。
*4 ハローサイクリング:東京を中心に全国で利用できるシェアサイクリングサービス。
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