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スウェーデンで大学間交流。オレブロ、ストックホルムでフィールドワーク!

経営学の観点から日本とスウェーデンを比較。新鮮なアイデアを多く得たフィールドワーク。

国際商学部では、実社会に変革をもたらすグローバルビジネス人材の育成を掲げ、積極的に海外で経験を積む機会を提供しています。
その一環として国際商学部・吉永崇史准教授の経営組織論ゼミは夏期休暇期間を利用してスウェーデンに渡航し、海外フィールドワークを実施しました。
今回は、そのフィールドワークに参加した吉永ゼミ所属の国際総合科学部2年生・牟田祐香さんにインタビューを行い、ゼミの活動内容や、フィールドワークの準備から現地での活動までについて話してもらいました。

※海外フィールドワーク 横浜市立大学の特徴あるカリキュラムの一つで、学部において盛んに実施されている活動。主に夏期休暇期間中を利用して授業やゼミの活動テーマに合わせてアジア、欧米などの外国に渡航し、現地企業や大学、研究機関への訪問や市街での調査実習を行う。

フィールドワークレポート

氏名:牟田祐香(むた ゆうか)
所属:横浜市立大学 国際総合科学部 国際総合科学科 経営科学系 2年
出身校高校:福岡県立筑紫丘高等学校
ゼミ:吉永崇史ゼミ(経営組織論)


【吉永・永松ゼミ海外フィールドワーク概要】
渡航期間:9月8日~9月14日
渡航先:スウェーデン(オレブロ、ストックホルム)
目的:世界的な視野を持って、自らの意志で勉強を継続するきっかけづくり
内容:
「大学交流」 海外の大学生と英語でコミュニケーションをとる。楽しむ。
「企業訪問」 “海外で働く”とは?日本との経営の違いを学ぶ。
「フィールドワーク」 自分たちで設定したテーマに対して調査によって問い、答えを見つけ出す。
参加人数:学生16名(吉永ゼミ15名、永松ゼミ1名)
引率:国際商学部 吉永崇史准教授、永松陽明准教授

【ゼミについて】

卒業後、社会で役立つ学問、「経営組織論」

私は、現在吉永ゼミに所属してゼミ活動をしています。もともと「YCUの特徴である英語教育を活用して英語力を向上させたい」「卒業後、社会に出てどの職業に就いても活かせる学問を学びたい」と思い、その2つが実現できそうな吉永ゼミで経営組織論を学ぶことを選択しました。

吉永ゼミでは、使用する教科書は洋書を使い、英語でディスカッションや対話を行うなど、ゼミ活動での使用言語は英語です。また経営組織論は、企業の成り立ちや組織の体制づくり、意思決定、実際の活動を企業の中でどのように行っていくかを学ぶもので、将来社会に出たときに必ず役立つ学問でもあります。

基礎知識を深い理解に導く「対話」が最初のゼミ活動

4月から始まったゼミ活動でまず驚いたのは、チームに分かれてタスクを進めることがとても多いということ。これは吉永先生の方針で、みんながリーダーの経験をしたり、役割に応じて一人一人が考えながら活動したりできる仕組みを取り入れているからです。

前期のゼミでは、経営組織論の教科書として「Effective teamwork」を用いて「対話」を中心に行いました。「対話」とは、毎週一冊の本の一章分を全員がゼミの時間までに予習し、自ら問いを立ててグループで意見を交わすもので、自身の理解を深めるとともに考えを整理することができます。吉永ゼミでは対話を英語で行うため、自然と英語を使う時間が多くなっています。自分が言いたいことをあらかじめ整理し、発言するよう心がけていることもあり、英語力が少しずつ向上をしていることを実感しています。

【事前準備について】

現地での活動をより充実させる事前準備

スウェーデンへの出発は9月。私たちはその5か月前から本格的に準備を始めました。現地では、オレブロ大学との交流、企業訪問、テーマごとのフィールドワークなど、盛りだくさんのプログラムが予定されていたので、充実した活動になるようしっかり準備をして臨みました。

まず訪問先であるスウェーデンについて理解を深めるため、8~10冊のスウェーデンに関する書籍を用意し、歴史、経済、社会、日常生活などについて事前にみっちり学修しました。またコミュニケーションの基本となるのは挨拶です。簡単な挨拶ができる程度にスウェーデン語をゼミ生同士で練習しました。さらにスウェーデンの方に日本、YCUを紹介するための発表スライドを作成。自分たちのことを現地の人たちに知ってもらうことも、とても重要です。
オレブロ城(左)とオレブロ市内の風景(右)

現地オレブロ大学での交流に向けた準備にも時間をかけて取り組みました。この交流でのテーマは、「両国間の企業の組織文化の比較」。私たちは「労働市場」「政治システム」「日本企業とスウェーデン企業(組織マネジメント)」「日本企業とスウェーデン企業(組織文化1)」「日本企業とスウェーデン企業(組織文化2)」の5つのチームに分かれ、調査をおこない発表資料を作成しました。

その他にも現地企業訪問に向けて事前調査と当日の質問事項を準備したり、ストックホルムで行う「フィールドワーク」に向けては、私のチームのテーマである、最近話題の「ソーシャルイノベーション」について、関連する書籍、論文で情報を収集したり、日本未来科学館(東京都江東区)を訪れてロボット、ネットワークを活用したイノベーションに触れたりといった事前調査を行うなど、この半年間はこのフィールドワークの準備に多くの時間をかけました。

【海外フィールドワークについて】

オレブロ大学キャンパス

学修意欲をより刺激された大学間交流

そしてついに9月9日、ストックホルムの40キロほど北にあるアーランダ空港に降り立った私たちは、約1週間の滞在に期待と少しの不安を抱えて、オレブロ大学に向かいました。ここでの2日間は「大学間交流」を行うことに加え、オレブロ大学の先生がコーディネートした「企業訪問」、「市内ツアー」に参加する予定です。
オレブロ大学に向かう途中、ゼミ生は事前課題のプレゼンが成功するか、現地の学生とうまくコミュニケーションができるかなど、皆不安と緊張で胸がいっぱい。バスの中では必死にプレゼンの練習をしていました。そんな中、私はとてもワクワクしていました。というのも、これまであまり外国人と会話をする機会がなかったので、現地の学生とのディスカッションやグループワークを通じて英語で交流できることがとても楽しみでした。

オレブロ大学に着くとまずはキャンパス見学。大学の方の説明を受けながらキャンパス内を歩いていくと、YCUとは比べ物にならないほど大規模な大学だと驚きました。それもそのはず、ここオレブロ大学は学生数1万4千人と、YCUの約3倍近くの規模なんです。教室や食堂もとても広く、多くの学生で賑わっており、緑の豊かさも魅力的でした。見学の途中であいにくの雨となりましたが、現地の先生方はさっと私たち全員分の傘を用意してくださり、そのあたりの心配りが日本人に似たものを感じ、一気に親しみを持ちました。

事前課題の発表を行うYCU学生
いよいよオレブロ大学の学生との交流です。まずは事前にみっちり準備してきた「YCUの紹介」と「事前課題(日本とスウェーデンの比較)」を発表。私たちのグループは、約30人の現地学生に向けて主に日本とスウェーデンの組織文化を比較したプレゼンテーションを行いました。オレブロ大学の学生や先生達はとても興味をもって聞いてくれて、質疑応答も活発に行われました。スウェーデンの学生たちの様々な反応により、日本で学修しているだけでは分からなかったことを多く発見することができたと思います。

他のグループでは、仕事環境にフォーカスを絞り産休、育休など制度の違いを紹介したり、議会の成り立ち、地方政治の方法に加え、難民や税金について比較を行い、考えを発表しました。
これには、事前準備の中でも特に多くの時間を割いてきたこともあり、非常に内容の濃い充実したものにできたと思います。準備の大変さもさることながら、発表直前は果たして私たちの英語での発表をちゃんと理解してもらえるのかと、みんな不安でいっぱいでした。いざ終わってみるとディスカッションによってお互いの組織文化に関する理解が深まるとともに、現地学生のモチベーションの高さに刺激を受け、このフィールドワークを通じてより成長したいという思いが強くなりました。

スズキガルピッタン社(左)、社員による説明を真剣に聞く学生(右)
課題発表を終えると、オレブロ大学の先生にコーディネートしていただいたスズキガルピッタン社という自動車に使うバネを製造する企業を訪問しました。工場の見学に加え、社員の方から会社の歴史や組織、経営戦略などについて説明を受けましたが、最も日本と違うと感じたのは、企業の中で共有している価値観でした。日本は「まごころ」や「和」といった調和を大切にしている企業が多い印象ですが、スズキガルピッタン社は「チャレンジ精神」や「イノベーション」といったマインドを大切にしているそうです。そういった価値観をはじめ、スウェーデン式の経営を知ることができたのは、経営組織論を学ぶうえで大変貴重な機会となりました。

この日の最後は、オレブロ市内ツアーに参加しました。
オレブロ市内ツアーでは、主にオレブロ城とその周辺の市街地を見学。オレブロの名前の由来や、オレブロ城内の歴史などに触れました。市内には王族の像や歴史が刻まれた道などが数々あります。先進的な企業の工場と歴史ある建造物がバランスよく共存する街、そんな印象を受けました。

2日目は、オレブロ大学の先生が企画したグループワーク。
「大学の中での新しい学修環境を創造しよう」をテーマに新しい価値観を学修に取り入れるためには何が必要かについて、オレブロ大学、YCUの学生混在の5つのグループに分かれて3時間のディスカッションを行い、グループごとに考えをまとめ発表しましたが、どれもユニークなアイデアで興味深いプレゼンでした。スウェーデン特有の文化であるFika(フィーカ)と日本の自動販売機の多さに目を付けるなど、両国の文化を組み合わせてみるアイデアが出るなど、どのグループもディスカッションを楽しみつつ、それぞれの国の文化も考慮された、とても面白く実用的な提案ばかりでした。このようにディスカッションから多くのユニークなアイデアが生まれる背景には、スウェーデンが日本よりもアクティブラーニングによる教育が進んでいるということがあるようです。

オレブロ大学での大学間交流は、今回の海外フィールドワークの中でも非常に中身の濃い活動でした。交流中はインプットとアウトプットの繰り返しで脳をずっとフル回転させていたこともあり、この2日間は心地よい充実感とともに、夜は外出する気力も体力もなく、翌日に備えてすぐに就寝する程でした。


※Fika(フィーカ)
スウェーデンの慣習の一つで、休憩をとることを指す。同僚、友人らとコーヒーと共に甘いケーキなどを食べながら談笑する。

※アクティブラーニング
グループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等の能動的な学修を指す。
オレブロ大学の学生とグループワークに取り組む学生

実際に見たからこそ分かるスウェーデンの「ソーシャルイノベーション」。

3日目は、オレブロからストックホルムに移動してフィールドワークを行いました。
ストックホルム市内に掲出されているポスター スウェーデン語の印象的なメッセージが特徴
私のチームは、「ソーシャルイノベーション」をテーマに選び、高齢化が急激に進む日本における福祉に関するサービスに焦点を当て、両国の状況を調査。福祉が進むスウェーデンにおけるバリアフリー対策や、健康被害を防ぐためのタバコのポイ捨てを抑制するポスターを主に現地で調査しました。スウェーデンは社会的課題の解決を目的としたロボットの開発などテクノロジーの利用がとても進んでいる国だということは事前学修で把握していましたが、現地ではそれらを多く目にすることができました。

特に目についたのが、高齢者や障がいを持つ方が利用する車いすで街中を不自由なく移動できる設備やサービスが整っていることです。公共施設の階段では一人でも利用できる車いす用の昇降機があったり、簡単に乗り降りできるバリアフリーバスが街中を走り、また駅のホームも乗降までのルートがフラットになっているなど、日本と同様に整備が行き届いていることに驚きました。
また、ストックホルム市内のタバコのポイ捨てを抑制するポスターは、日本にはないユニークなデザインが採用されています。タバコのポイ捨てが社会問題となっている現地では、それを防ぐため、ポスターに路上に捨てられた吸い殻の写真が使われ、吸い殻の目線で「僕たちを家に帰らせてほしい」という直接的な表現ではなく喫煙者の心に訴えるメッセージが採用されていました。このポスターによりポイ捨ての量が軽減されたという結果も出ているそうです。視点を変えてアプローチすることで社会課題の解決に繋げている点が非常に参考になりました。
私たち以外のチームは「フィーカ文化」「パブリックアート」「キャッシュレス社会」「北欧デザイン」というそれぞれ興味深いテーマに取り組みました。
ストックホルム市内の風景
フィールドワークを通して、日本もスウェーデンも同様に福祉が進んでいることを確認しました。しかし、それぞれ国民の福祉サービスに対する満足度に違いがあるのではないか?と調査を経て感じました。それは単純に提供されているサービスの違いの他に、生活習慣、考え方といった国民性の違いにも多少関連があるのではないかと感じたことをきっかけに今回の調査で分かったこと、気づいたことを含め、報告書にまとめました。

今回の海外フィールドワークの感想

オレブロ大学の学生との食事会の様子
私自身リーダーという人をまとめる立場に立ったことがなかったので、最初はとても不安でいっぱいでした。実際ゼミ生みんなに仕事を振り分けて一緒に内容を考えたり、皆の仕事状況を把握したり、期限に間に合うようにスケジュールを組んだり…など、皆を効率よく動かしたりまとめたりすることにとても苦労しました。

今回のフィールドワークは、特に去年とは大きく違い事前課題が多く、準備時間が足りず、昨年のようなスケジュールで進めることが難しかったことに加え、リーダーの仕事と、フィールドワークに向けてプレゼンの仕事との両立も大変で、事前準備でへとへとになりました。しかし、いざ現地に行ってみると、緊張や大変なことがあった一方で、それよりも得られたものが多かった1週間だったと思います。何より、その充実感はその大変だった準備によって得られたのだということにも気づきました。
ノーベル博物館前での一枚
今回私は海外に行くことが初めてだったこともあり、外国の文化に身をもって触れることができたことはとても有意義でした。日本では感じることができない文化や考え方、歴史、街並みなど全てが新鮮でとても刺激になりました。

特にオレブロ大学でプレゼンをした際に、ゼミ内では思いつかなかったアイデアや考え方を、スウェーデンの学生や先生から得られたことは、自分にとって考えの幅が広がったことを実感でき、成長を実感できた瞬間でもありました。事前準備では非常に苦労することが多く、辛く感じることもありましたが、これらの成果を得ることに結びついたのは、間違いなく大変だった事前準備のおかげだということを、今なら言えます。

最後にこのフィールドワークで学んだこと、発見したことを忘れずにさらにゼミでの学びを深めていきたいと思います。

指導教員吉永崇史准教授のコメント

吉永崇史准教授
吉永ゼミでは、学生の国際感覚を養う目的で、2014年度より毎年海外フィールドワークを実施してきました。これまでは、タイやベトナムといった東南アジア諸国を訪問していましたが、今年度は永松ゼミとともに、ヨーロッパ訪問に挑戦しました。

現地の学生と英語を通じて共に学ぶことや、現地企業訪問、自ら企画した海外でのフィールド調査をチームで実施する等、全参加者が今後の大学での能動的な学習につながるよい経験ができたのではないかと思います。特に牟田さんは、海外フィールドワークのリーダーとして、事前準備を効果的に行うために参加学生をまとめたり、海外フィールドワーク中に1日ごとの留意事項を参加学生に周知したり、インスタグラムでの発信を担ったりするなど、多方面で活躍してくれました。

牟田さんには、今回の経験を活かして今後の学習に励んでもらえることを期待しています。

ヨコ知り!1問1答

牟田さんも数年前は受験生。受験生時代のことを1問1答でお聞きしました。

1.YCUをいつ知った?
3年の9月くらい?

2.なぜYCUを選んだ?
英語と経営学が学びたかったから

3.試験前日の過ごし方は?
いつも通りのルーティンを過ごしました

4.センター試験の結果はどうだった?
全然だめで絶望でした(笑)

5.試験当日のマストアイテムは?
苦手な問題を集めたノート

6.おすすめ参考書
リンガメタリカ好きでした! 話題別英単語リンガメタリカ(Z会)

7.1番勉強した場所・時間帯
塾か学校で朝型でした

8.試験当日の失敗談
数学の試験で焦りすぎて頭が真っ白に

9.受験勉強中のリラックス方法は?
友達とおしゃべり

10.受験勉強中、よく聴いた曲は?
嵐!

11.その当時の将来の夢は?
アパレル企業に入社し世界中の女性を幸せに、綺麗に出来るような商品を作る


(2019/12/2)

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