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新学長就任インタビュー企画(2020年度・相原道子 学長)

新学長就任インタビュー!

今春4月より学長に就任した相原道子新学長は、附属病院の病院長として病院の経営改善に大きく貢献した実績をもちます。本学初の女性学長として注目の相原新学長に、これからの抱負やトップとしてのビジョンを語っていただきました。

—— このたび学長に就任し、まず初めに思われたことをお聞かせください。

はい、前任の窪田学長が築き上げてきたことをさらに発展させていくことに、とても重い責任を感じています。と同時に、これまで医学部とその周辺で過ごしてきた私にとって、学長という立場は新しい世界。そういう意味では期待でわくわくもしています。

—— 「女性初の学長」であるということが、本学のイメージにどのような影響を与えるとお考えでしょうか。

女性学長を受け入れる本学は多様性を認めている大学であるということを、学外へ発信できると思います。実際、女性の学長ということで周囲から話題にされることも多いのですが、学長に限らず、求められる役割に適しているか、性別に関係なく評価することができる大学であることが保護者の方や学生たちにも伝わるのではないでしょうか。個人的には大学附属病院長や教授時代も含めて、女性であることをあまり意識して活動したことはないのですが、将来的には女性であることにとらわれる必要のない社会が実現することを願っています。

—— 学長として成し遂げたい事、抱負・ビジョンなどを、教育・研究・医療の視点からそれぞれお聞かせください。

まず「教育」では、何と言っても前学長の窪田先生が推進してこられた「グローバル人材の育成」です。小さくまとまった人材を育てるのではなく、さまざまなことに果敢にチャレンジし、世界に羽ばたくことをめざす学生を育てたいですね。そのために必要な教育、チャンスを与えたい。世界で活躍するにはもちろん英語の能力も必要ですし、多様な考え方も身につけてほしいし、企業や医療現場、海外での経験を積むことも重要と思っています。データサイエンスも学部に関係なく大いに学んでほしいと思います。
「研究」面では、「世界に通用するハイレベルな研究」ですね。国際シンポジウムなどに参加して発表したりレベルの高い国際雑誌に発表したり、海外の研究者と共同研究をする等いろいろな形があるかと思いますが、世界標準、世界と闘える研究が目標です。
本学では医学やバイオサイエンスの分野など、すでに国際的に競争力の高い分野がありますが、そういった分野を1つでも多く増やしていきたいですね。
そして「医療」では、本学の創立100周年、2028年を目途に新附属病院の建設を計画しています。とともに、医学科、看護学科、医学関係の研究設備などを充実させていくこと。これらによって、医療の発展や医療資源の市民の皆様への還元がさらに可能になると期待しています。
一方で、横浜市大は「横浜市とともに歩む」ということを掲げています。医療やデータサイエンスだけでなく、それぞれの分野で横浜の発展に寄与できるよう、人材の育成だけでなく仕組み作りにも注力したいと思います。

人としてあるべき姿に育てようという
教育の真髄がいまも受け継がれている

—— 学長ご自身と横浜市立大学との関わりについてお伺いします。学生時代の思い出、印象的なエピソードがあればお聞かせください。また、卒業生として横浜市立大学の良いところはどのような点でしょうか。

今でも思い出されるのは私が大学の教養課程の頃のことです。年始に英語担当の教授が、ご自宅に医学部進学課程2年の学生全員を招いてくださったことがありました。これは例年の行事だったそうです。実家に帰る学生も多く、結局二十数名がお宅に伺ったのですが、そのとき教授はこれから医学の道を志す学生たちに、ご自身の考え方や世の中の見方を説いてくださった。それほど先生と学生の距離が近かった。そして私たちを人として育てようという心遣いが感じられて、とてもうれしかったことを憶えています。
時代は移っても、アットホームで人と人との距離が近くて、つながりを維持していけるところは変わらない。それがこの大学の良いところの1つです。

—— 「アットホームで親身な大学」であるということに加え、今後、受験を考えている学生や保護者の方に向けて、本学の強みはどんなところにあると思われますか。

医学部をもっている総合大学であることはアドバンテージが高いと思います。医理連携とよく言いますが、理だけでなく文も医療とつながることで可能性が広がります。附属病院があることで市民への貢献もできますし、データサイエンス学部も“医”との連携を目指して、さらに発展させていくことができます。大学として、医との連携ができることは、あらゆる可能性があるということなんです。
また、本学は行政との結びつきが強いので、国際都市横浜ならではの著名な国際イベントに参画できたり、地域と密着した学びが提供できたりするという点も学生にとっては魅力だと思います。

—— 学長ご自身の素顔について少し伺いたいのですが、特に影響を受けた書籍があれば教えてください。

大学時代に出会った本で、17世紀イギリスの詩人ジョン・ミルトンが書いた「paradise lost」でしょうか。これは旧約聖書を基にした叙事詩で、もともと大天使だったのに悪魔になって人間を陥れる話なのですが、その変化がなんとも人間的で。人の良い面も悪い面もすべて、悪魔と天使の戦いの中に盛り込まれているのが面白い。引っ越しで本を失くしてしまってもまた買いなおして、今でも時々、繰り返し読んでいる本ですね。

—— 「座右の銘」にしている言葉があれば、教えてください。

「しなければならないことから逃げてはいけない」—— これは何かの引用ではなく私自身の言葉です。あくまで「しなければならないことから」、ということ。最近の世の中はとかく危険なことが多いので、危険は察知してさっと逃げなくてはいけません。(笑) ここは間違えないでくださいね。

「選ばれる大学」であるために
現場の声を自分の耳で聞くことから

—— 大学の在り方というのは今後どんなふうに変化していくと予測されますか。

社会と密接に結びついていかないと、大学も社会から捨てられてしまう可能性がある時代です。単に今社会に役立つという意味でなく、社会の発展に役立つ成果を出せる人材や研究成果を生み出せないと、“選ばれない大学”になってしまいます。

—— 最後に、「求められる大学」、「選ばれる大学」になっていくために、具体的にはどのようなことから進めていこうとお考えでしょうか。

大筋は前学長の方針からぶれることなく引き継いでいくのですが、本学では何が得意分野で何が足らないのかということを見極め、得意分野や将来性の高い分野を伸ばし、そうでない分野は方向性をもう一度確認して、将来計画を立てていくことが必要です。今後本学の更なる発展のためになにが必要なのか、しっかり学内で議論を尽くしていくつもりです。

横浜市立大学 学長
相原 道子 (あいはら みちこ)

昭和31年(1956)3月生まれ。神奈川県出身。医学博士。専門は皮膚科学。1980年横浜市立大学医学部卒業。西ドイツMax-Plank研究所、米国Stanford University Medical Center、小田原市立病院、横浜市立大学附属病院、横浜市立大学医学部附属市民総合医療センターなどを経て、2008年横浜市立大学附属病院皮膚科教授、2011年横浜市立大学医学部教授。附属病院副病院長、病院長を歴任した後、2020年4月より現職。

(2020/4/1) 

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