外国文学とのかかわりから見る 「日本文学のこれまで/これから」
この講座は開催終了しました。
従来の文学史は、それぞれの国を単位として語られるのが通例でした。しかし、過去も現在も、文学者たちは外国文学に影響を与えたり、与えられたりしながら執筆活動を続けています。本講座では、外国文学とのかかわりを通して、日本の文学史を見直すとともに、これからの日本文学の将来について検討します。
日時 |
2016年12月3日〜2017年2月4日 土曜日 14:00〜16:00(全5回) ※予備日:平成29年2月18日(土)14:00〜16:00 |
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会場 | 横浜市立大学 金沢八景キャンパス |
講師 | 助川 幸逸郎 (横浜市立大学 非常勤講師) |
受講対象 | 高校生 学生 一般 |
受講料 | 全5回 7,600円 (部分受講可 1回1,600円) ※高校生無料 ※本学卒業生は割引になりますので、お申し出ください。 |
第1回 12月 3日(土) 14:00〜16:00
『竹取物語』と中国神仙譚
かぐや姫の設定には、中国の「神仙譚」の影響が認められます。なぜ日本の「仙人」のイメージを借りることで、
かぐや姫の造型に何が付け加えられたのかを考えます。
第2回 12月 10日 (土) 14:00〜16:00
『白氏文集』から見た『源氏物語』
源氏物語』正編のストーリーは、白居易の『長恨歌』をベースとして組み立てられています。
玄宗と楊貴妃の悲恋物語が、『源氏物語』の中でどのように変奏されたのかを探ります。
第3回 12月17日 (土) 14:00〜16:00
中国詩の変遷と『おくのほそ道』
日本でもっとも高名な中国詩人は、長らく白居易でした。しかし芭蕉が尊敬していたのは、
鎌倉時代から徐々に評価を高めていた杜甫です。漢詩受容の変遷史を、蕉風俳諧の本質と絡めて語ります。
第4回 1月21日 (土) 14:00〜16:00
夏目漱石とヴィクトリア朝英国
漱石の『草枕』や『夢十夜』には、ラファエル前派の絵画の影響が認められます。
漱石が留学時代の経験を通じて身に着けた「同時代の英国作家と共通する価値観」について考えます。
第5回 2月 4日 (土) 14:00〜16:00
グローバリゼーションの中の村上春樹
「村上春樹の小説はグローバルだ。英語で読むと、ニューヨークが舞台の話みたいに思えてくる」
—頻繁に口にされるこの類いの「春樹評」の当否を糸口に、日本文学の将来を展望します。