資源生物利用学講義〜食糧危機から世界を救うために〜
この講座は開催終了しました。
本講座では、我々が食料として利用している作物がどこからどのようにして来たのか、地球規模での気候変動と世界的な食糧問題に言及し、今後の食料危機に対して人類が生物進化の流れをコントロールして利用している「品種改良」で何ができるのかについて、理解できるよう解説します。
日時 |
2014年5月13日〜2014年5月27日 火曜日 18:00〜19:30(全3回) ※申込開始日 4月8日(火) |
---|---|
会場 | 瀬谷公会堂(瀬谷区二ツ橋町190) |
講師 | 坂 智弘(横浜市立大学学術院国際総合科学群 木原生物学研究所 教授) |
受講対象 | 高校生 学生 一般 |
受講料 | 無料(部分受講可) |
第1回 5月13日(火)18:00〜19:30
「植物の遺伝資源とは〜世界の食料危機と地球環境変動の緩和〜」
人類は食糧を作るためにどんどん環境を破壊しているという事実があります。そこで、環境に負荷の少ない技術を開発したり、塩がふいているような土地でも作ることができるような、植物がもつ様々な能力を活かした品種開発が求められています。植物には多様性があり、その中で変わりものの遺伝資源を利用して良さを見出す必要があります。そのような世界の現状について紹介します。
第2回 5月20日(火)18:00〜19:30
「植物の栽培化と作物の起源、遺伝資源の収集・保存・利用」
木原生物学研究所には数千種類のコムギ遺伝資源が保存され、毎年数百種類が研究所内の圃場で更新されています。これらのコムギは日本をはじめとして、中東など世界中から収集されたものですが、中にはすでに現地では絶滅したものもあります。コムギ遺伝資源を利用してどのように食糧危機を回避しようとしているのか、その研究の一端を紹介します。
第3回 5月27日(火)18:00〜19:30
「緑の革命〜ひとつの遺伝子が世界を救う〜」
日本人が栽培していた「農林10号」という品種は、世界で育てられていた背が高く立派な品種とは異なり、背が低く倒れにくいという性質を持っています。この品種の子孫がメキシコの国際トウモロコシ小麦改良センターに渡り、インド・パキスタンの一億人の命を飢餓から救った「緑の革命」を実現することになりました。この実例をもとに、育種による品種改良の重要性について紹介します。