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それぞれのフィールドで活躍する卒業生にインタビュー!!

今回は大鵬薬品工業株式会社で創薬の研究開発に取り組む廣川智子さんと、株式会社伊藤園にて財務経理業務に携わる千明優さんを取材。学生時代は神経再生治療についての研究に励み、2018年に博士後期課程を修了した廣川さんと、専攻外の分野にも精力的に取り組んでいたという千明さんに、学生時代の経験や現在のお仕事に関するお話を聞きました。


廣川ひろかわ 智子 ともこ さん

大鵬薬品工業株式会社
研究本部(つくばエリア) 第二研究所
国際総合科学部 理学系* 環境生命コース 2013年卒業
生命医科学研究科 博士前期課程 生命医科学専攻 2015年修了
生命医科学研究科 博士後期課程 生命医科学専攻 2018年修了

*国際総合科学部 理学系は、2019年4月に理学部に改組されました。


—— 現在の主なお仕事について教えてください。——

2021年4月に入社4年目を迎え、現在は、創薬活動のファーストステップを担う部署に所属し、泌尿器関連の疾患に対する創薬活動を担当しています。泌尿器関連の創薬には2年ほど前から携わっていて、10名ほどのチームで基礎研究に取り組んでいます。新薬の種となる化合物が、対象の疾患にどのような効果を示すのか、これまでの知見等をもとに調査・研究を行い、新薬としての妥当性をひとつずつ確かめていきます。私のチームは、疾患に有効な種を探し絞り込む“基礎研究”から、培養細胞や動物で繰り返し試験・評価・改良を行う“非臨床研究”までを行います。


—— お仕事で意識していることや心がけていることは?——

疾患で悩む人たちのもとに少しでも早く新薬を届けるためには、的確かつ迅速な「できる・できない」の判断が求められます。そのため、実験結果が出たらすぐに共有し、調べてもわからないところは先輩に直接訊きに行くように心がけています。
薬の種を見つけてさまざまな研究を行う必要があるため、実際に薬として世に出る確率は約2万6千分の1とも言われています。さらに、薬の開発には約9~16年という長い月日がかかるため、自分が研究に携わった薬が世に出る前に定年を迎えることのほうが多いとも言われています。


—— 業務で大変だと感じることは?——

日々新しい知見を蓄え続けなければならないところでしょうか。大学で研究室に配属されてからは脊髄損傷の患者さんに向けた神経再生治療薬の研究に励んでいましたが、入社してからは自分にとって新たな領域の研究に取り組んでいるため、基礎知識を一から蓄えていかなければいけないところは結構大変ですね。先ほども言いましたが、スピード感というものがかなり重要になってきますので、基礎的なことは自分で調べた上でわからないことがあれば、先輩たちに積極的に質問をしに行くようにしています。


—— やりがいを感じるのはどんな時?——

良好な結果が出て、薬の効果が確かめられた時はやっていて良かったと思いますし、新しい薬の誕生に一歩近づいたと実感できる瞬間です。どうしてもうまくいかない時は落ち込みますが、「何がダメだったのか」「改善策として何が考えられるのか」、チームで前向きに協議しながら検討を進めます。
また、新しい分野の研究に携わることはハードルの高さを感じる一方、知識の幅が広がって新たな視野も得ることができるので、モチベーションにつながっています。


—— ビジョンや目標は?——

まずは、現在行っている創薬活動の非臨床研究をクリアすることが当面の目標です。非臨床研究をクリアした後の工程もまだまだ先は長いのですが、いつか自分が研究開発に携わった薬が世に出る瞬間に立ち会えるように日々頑張っているところです。
また将来的には、『チオビタ』や『ソルマック』というような、大鵬薬品の名前を広く一般の皆さまにも知ってもらいやすいコンシューマー商品の企画開発にも携っていければいいなと考えています。


—— 学生時代で特に印象に残っていることは?——

学部生の時に特に印象に残っているのは、3年次の夏季休暇を利用して大学の短期語学留学プログラムに挑戦したことです。英語に対する苦手意識があったのですが、「約2ヵ月間もある夏休み。せっかく時間があるから何か有意義に過ごしたい!」と決意しました。イギリスのオックスフォードブルックス大学で約3週間、グループワークやディスカッションをしたり、寮でプログラムの参加生や現地学生たちと共同生活をしたりと、異文化を知る貴重な体験となりました。この留学をきっかけに英語に対する苦手意識も払拭されて、英語に対してのハードルがぐっと下がりました。
大学院ではまさに研究一色でしたね。思い出深いのは、学会でワシントンD.Cへ行った時のことです。当初は教授と一緒に行く予定だったのですが、急遽一人で行くことになって心細さはあったものの、無事にポスター発表を行うことができ、あの時留学に挑戦しておいて良かったと感じました。質疑応答等もなんとか乗り切ることができましたが、英語力はまだまだだなと痛感しましたね。


—— 受験生に向けてメッセージをお願いします!——

受験生にとっては「大学に入ること」が目標になりがちかもしれませんが、「入学した後に何をやりたいのか」を改めて考えたほうが良いと思います。YCUでは、1年次に他学部の学生と同じクラスで学ぶ “教養ゼミ”や、進級要件としても課されている実践的英語学習“PE/APE”、その他にも留学プログラムや海外フィールドワーク等、皆さんの「チャレンジしたい!」という気持ちを応援する制度が充実しています。皆さん大変な状況が続くかもしれませんが、これまで自分が行ってきたことに自信を持って、限界を決めずにチャレンジして悔いのない選択をしてください!


千明ちあきまさる さん

株式会社伊藤園
財務経理部 連結経理課 主任
国際総合科学部 経営科学系※ 国際経営コース 2014年卒業

※国際総合科学部 経営科学系は、2019年4月に国際商学部に改組されました。


—— 現在の主なお仕事について教えてください。——

担当する主な業務は二つあります。
一つ目はグループ会社の管理・サポート業務です。当社には国内だけでなく、アメリカや中国、オーストラリア等を含め計41社の関係会社があり、現地の担当者たちと数字等をもとに分析を行い、今後どのようにして社会に貢献し、業績を伸ばしていくのか共に協議して提案を行っています。やはりそれぞれの地域によって特性が異なるため、その場・その時・その状況によって何が適切かよく検討して判断する必要があります。
二つ目は開示書類の作成業務です。金商法や証券取引所のルールに則り、伊藤園グループの取組みや業績等、利用者にとって有用性の高い情報をなるべくわかりやすくまとめて発信できるような資料の作成を行っています。一人で作ると偏ったり伝わりづらかったりするため、複数名で入念にチェックや打合せを重ね、より簡潔で伝わりやすい書面になるように工夫を重ねます。


—— お仕事で意識していることや心がけていることは?——

当社の考え方で「お客様第一主義」というものがあります。この「お客様」は消費者の方だけでなく、協働している方々も含まれます。協働関係者と良い関係を築けないと良いパフォーマンスも生まれない。そういうことにも配慮して、どうやったらお互いに気持ちよく仕事に取り組めるか、常に意識して業務に取り組むようにしています。


—— やりがいを感じるのはどんな時?——

担当しているグループ会社の業績が伸びたり、開示書類に良い評価をいただけたりすることは、結果的に伊藤園の商品を飲んでいただく機会が広がっていくことにつながるはずですので、とてもやりがいを感じています。あと、やはり当社は飲料メーカーですので、街中で伊藤園の商品を飲んでいる方を見かけた時が一番嬉しい瞬間です。お店で伊藤園の商品を手に取ろうとしている人や、伊藤園の自販機の前で立ち止まっている人を見かけると、ついつい見入ってしまいますね(笑)。


—— ビジョンや目標は?——

将来的には、商品開発やPR等の仕事に携わって、もっともっと広く伊藤園のことを知ってもらうことに貢献できたらいいなと思っています。当社には“Voice制度”といって、新商品の提案ができる機会が全社員にあり、実際私は『1食分のたんぱく』という商品を提案して賞をもらったことがあるんです。その時はそのVoice制度を利用してアイデアを出しただけなのですが、マーケティングの商品開発担当のように、「商品のアイデアが生まれてからどういうふうにその商品を育てていくか」ということに携われたら嬉しいなと思っています。


—— 大学生活はどんなふうに過ごしていた?——

入学前から親に「将来確実に稼げる仕事に就きなさい」と言われていたこともあり、数学が得意だったので、1,2年次は公認会計士を目指して勉強に明け暮れていました。そんな中、ゼミで税務を学ぶ機会があり、その勉強を進めると「企業」というものに辿り着くようになって、企業の分析をしているうちに興味が湧き、将来は企業で活躍したいと思うようになりました。
企業には、例えば生産や営業、販促活動等多くの職種が存在し、様々な立場のスタッフと協働したり、顧客には大企業や個人のお客様がいて商談をしたりすることを考えると、「数字だけわかっていてもだめだ」「とにかくいろんなことを経験していこう」と思うようになりました。それから、心理学やスポーツ科学、プログラミングや情報関連等、いろんな科目を受講しました。実際社会に出てみると本当に人それぞれの考え方や場面があって、学生の内から様々なことに取り組み、経験してきたことは役に立ったと感じます。


—— 学生時代の経験で、今に生かされていると感じることは?——

部活動とビジネスコンテストに参加した時の経験ですね。
文芸部に所属し3年次には部長も務め、毎月の部誌の発行をメインに取り組んでいました。長編でも短編でも、自分たちの好きなものを書いて発表できる場を設け、当時は遊びの延長のような感覚で取り組んでいましたが、本当に多様な文章に触れてきたので、書類の見やすい人と見にくい人の違いが自然とわかるようになりました。会社に入って多くの書類に触れる機会が多くなってきた今、非常にためになったと感じています。
また、ゼミの先生からの紹介で企業が主催しているビジネスコンテストに参加した際、当時はまだ実用化はされていなかったはずの、「レジカゴに商品を入れた時に自動でバーコードを読み込むことでレジを通さずに決済ができるシステム」のアイデアを発表し、奨励賞をいただきました。大勢の人の前でプレゼンするのは本当に難しくて、当時は全然うまく喋れませんでしたが、自分で資料を作って人前でプレゼンを行ったことは良い経験となりました。


—— 受験生に向けてメッセージをお願いします!——

皆さんコロナ禍の影響もあって本当に苦労していると思います。当社の先代会長の言葉で、「敗因は得意の時にあり、勝因は失意辛苦の時にあり」(自分が良いと思っている時にこそ失敗の原因がある。その逆で、辛く苦しい時にこそ勝つチャンスがあり、それをしっかり掴み取れば良いことがある)というものがあり、苦しい今だからこそ踏ん張り時だと改めて感じています。辛いと思う時こそ成長するチャンス!皆さんも今は非常に辛い時期だとは思いますが、ここでもうひと踏ん張りすれば「絶対に未来は明るいはず!」と強い意志を持って頑張ってください!


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(2021/07/28)

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