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抗がん剤や放射線治療ではなく、「交流磁場」という物理的な刺激を当てることで、患者の体に負担をかけない新しいがん治療の研究をしている梅村将就准教授。研究者であると同時に、医師でもあり、学生を指導する教育者でもあります。医学生の選ぶベストティーチャー賞を何度も受賞した梅村准教授に、研究への思いや高校生に向けたメッセージを伺いました。


仮説を実証し自らの手で証明するプロセスと
証明された時の喜びが研究の醍醐味

研究分野
生理学、分子生物学、医療機器開発(医工連携、産学連携) 
経歴
2006年3月 横浜市立大学大学院医学研究科内科学第二 博士課程修了
2006年4月~2009年3月済生会横浜市南部病院循環器内科
2009年4月~2010年3月横浜市保土ヶ谷中央病院内科医長
2010年4月~2012年6月ラトガース大学博士研究員
2012年7月~2019年3月横浜市立大学医学部医学科助教
2019年4月~2022年3月同講師
2022年4月~同准教授


現在の研究テーマに取り組もうと思ったきっかけなど教えてください。

留学先のラトガース大学 分子生物学部門では、主に培養細胞を用いて細胞内のカルシウムの働きについて研究を行っていました。留学から、本学に戻ってきた際には、前任者のテーマである「化学構造の一部に磁性(磁石に引き寄せられる性質)を持つ特殊な構造を持つ有機化合物を抗がん剤として開発する研究」を引き継ぎました。自分が米国でやっていたテーマとは違いましたが、研究を進めていくうちに、一見全く違うテーマのように見えても、面白いことに様々な共通点が多くあることに気づきました。引き継いだテーマと自分が以前から行っていたテーマである細胞内カルシウムの研究が、研究を進めるうちに集束していきました。その後は、工学部の先生や企業の開発者の方など様々なジャンルの研究者と共同で研究をする機会があり、とても刺激的でした。学生の時に勉強した化学や物理などの知識がこのような形で役に立つということにも驚きました。現在は企業の方との共同研究で、IH調理器などにも使われる「交流磁場」を用いてがんの治療を行う新しい医療機器の開発を行っています。この治療は、コイルに電流を流すことで交流磁場を発生させ、それを患部に照射することで、患部に触れなくてもがん治療ができる全く新しいコンセプトの患者さんに優しいがん治療になることが期待されます。


研究の面白さや醍醐味などについて教えてください。

自分が実験で得た結果は世界で自分だけしか知らないということが、大げさではなくあると思います。自分で仮説を立て、それを実証し、自らの手で証明していくプロセスと、その仮説が証明された時の喜びが研究の面白さであり、醍醐味だと思います。さらに、それらの結果を論理的に組み立て、苦労した末に、論文として雑誌に掲載された時には、自分の研究がひとつの形になり、それが世界で認められたという達成感と満足感が得られると思います。


研究を進めていくうえで、常に気にしている、心がけていることなどについて教えてください。

研究はひとりでは出来ないので、周りの共同研究者の方との情報共有には常に意識をしています。また、研究責任者という立場の場合には、自分の頭に描いているゴールや方向性をわかりやすく相手に伝え、理解してもらえるように特に気を付けています。もちろん、研究の進み方によっては最初に思い描いていたものとは違う結果になることもありますが、その場合でも適宜、柔軟に軌道修正しています。研究に携わっているメンバーが皆で同じ設計図や将来像が頭に描けているかどうかが、成功への重要なポイントになると思います。また、分野の違う方との情報共有の際には相手にこちらの意図がわかるように、自分が相手の方に歩み寄ることが大事だと思います。相手が来てくれるのを待っていても物事は進みませんから。
また、自分が自分の研究を一番面白いと思わないと、他の人も面白いとは思ってもらえないと思っています。

ヒトやマウス由来のがん細胞を培養皿の中で育てます。赤い液体は、がん細胞を育てるための栄養(牛の血清)が入った培養液です

インキュベーター(温度を一定に保つ装置)の中で37℃の環境でがん細胞を培養します


研究者にとって一番必要な素養(能力)は何でしょうか。

想像力だと思っています。これは、自分が立てた実験の仮説をどのように実験したら、周りが納得してくれるような証明が出来るかをしっかりイメージすることから始まります。また、研究をしていると学会や研究会でのプレゼンテーションや研究費獲得のために審査員へ自分の研究を説明する説明会、学生の講義など、様々なところで自分の考えを相手にわかり易く伝えなくてはいけない場面に遭遇します。その際に、相手しっかり理解してもらうには、相手にどのように伝えたらわかってもらえるかをとことん考えることが必要です。それがすなわち想像力ということになります。


YCU受験生へのメッセージをお願いします。

研究で必要な要素は、想像力、論理的に考えられる能力、わかりやすく説明できる能力です。それらは、臨床現場での診療でも必要ですし、医学教育現場でも重要です。研究は医師に必要なこれらの要素を学べる場だと思います。本学では4年次の前半に研究室に所属して基礎研究や臨床研究に3か月ほどじっくり取り組めるリサーチクラークシップという制度があります。学生の早い時期から、リサーチマインドを身に付けることは、将来必ず役に立ちます。基礎研究、臨床研究、実際の臨床現場では、根っこですべてつながっています。無理に線引きする必要もなければ、進路に悩む必要ありません。研究と臨床現場を行ったり、来たりでいいのです。どの道に進んでもすべての経験は必ず役立つと思います。ぜひ、本学で一緒に研究し、視野の広い医師になれるように頑張りましょう!

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(2022/7/5)

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