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高度救命救急センター

当科のご紹介

横浜の最後の砦としてピンチこそチャンスと捉え、常に高度救命救急センターの機能を発揮し、それを維持する体制を整える

当センターは、地域の救急医療の「最後の砦」として、緊急性の高い患者さんや重症患者さんを集約し、24時間体制で救急医療を行っています。当センター専任の救急科医師を中心に、同じく専任の脳神経外科、整形外科、形成外科、外科、循環器内科、精神科の各診療科の医師が密に連携しながら、最新の治療法や、エビデンス・ガイドラインに基づいた医療を導入し、医療水準の向上と標準化を推し進めています。また臨床研究・学生教育(医学生、救急救命士)にも力を入れております。さらには横浜市消防局と連携して医師の現場派遣(ドクターカー・YMAT(横浜救急医療チーム))を行い、傷病発生現場からの早期診療開始を実践しています。

主な対応疾患と診療内容

2016年から横浜市重症外傷センターとして日本で初めて行政に認定され、横浜全域からの重症患者を集約しています。CT初療室を有し、重症外傷患者搬入時は、脳外科、整形外科、救急外科、形成外科が同時に介入し、早期に蘇生ならびに機能回復のための外傷手術を行います。また血管内治療による止血術(IVR)も常に施行可能で、術後は集中治療医による集学的治療を行います。

2019年から重症呼吸不全に対してECMOを用いた治療ができるチーム(YACHT:Yokohama Advanced Cardiopulmonary Help Team)を立ち上げ、コロナ禍においても全国トップレベルの救命率でした(生存率90%)。また動く集中治療室と呼ばれるECMO Car(mobile ICU car)を用いて、依頼先病院に赴き、ECMOを導入・安定化を図った上で搬送をするprimary ECMO transportも全国に先駆けて実施しております。

高度救命救急センターの機能として、全身熱傷・多肢切断に対応しております。
専任医師が24時間365日対応できる体制を敷いております。熱傷診療は、救急科・形成外科・リハビリテーション科など、複数の診療科・多職種から成るチーム医療で行っています。また精神面の治療・サポートには精神科が、四肢切断時のコンサルトに整形外科も介入し、1人の熱傷・切断肢患者の救命・社会復帰に向けて努力しています。

Disaster Medical Assistance Team (DMAT)を複数隊有し、平時から災害訓練を行い、災害拠点病院としてモチベーションを維持しております。全国的には、熊本地震・常総水害など、また地域的には、京急線・シーサイドライン脱線事故で活動しました。また人口370万人の横浜ならでは大規模なイベント(横浜マラソン、シーサイドトライアスロン等)などが開催されることも多く、その医療支援にも参画しています。

主な検査・設備機器

重症外傷診療においては、全身を速やかに評価できるTrauma-pan scanが有用とされ、重症外傷センターである当院では、搬送されてきた重症患者さんはCT初療室に運ばれ、蘇生処置とともに即座にCTを撮影し、適切な治療介入が行われます。手術もそのまま行うことが可能です。

ECMOカーとは、搬送ができないまでに呼吸循環が不安定になってしまった場合、現場でECMOを導入し、当院まで搬送するための大型車両です。大型の医療機器でも十二分に積載することができ、大容量のバッテリーも有しているため、災害時にも医療指揮本部としても機能します。

教育・研究等の取り組み

高度救命救急センターでは診療だけでなく研究や教育も積極的に取り組んでおります。Physician-Scientist(診療から発想を得て研究を行う医師)の育成にも積極的に取り組んでおり、学会主導のデータベースを使った研究、医工学連携・多職種共同研究等を行い、研究結果を診療に生かせるよう努力しています。

  • 重症呼吸不全患者のための新しい超音波技術の開発

  • 集中治療に役立てる超音波に関する研究

また医学生教育にも力を入れております。指導医・研修医の屋根瓦式に3週間のマンツーマン指導を行っています。さらに2023年度から院内救急救命士を採用しました。従来医師が行っていたデータベース入力・転院調整等の業務を行い、タスクシフトを進めています。

  • 院内救急救命士        

  • ベッドサイドラーニング

施設認定

  • 日本救急医学会専門医・指導医指定施設
  • 日本集中治療医学会専門医研修施設
  • 日本外傷学会外傷専門医研修施設
  • 日本熱傷学会熱傷専門医認定研修施設
  • 日本呼吸療法学会認定専門医研修施設
  • 日本IVR学会専門医修練認定施設