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大学院生命ナノシステム科学研究科 高山光男教授、関本奏子助教の研究成果が製品化!―アンビエントイオン化質量分析における世界最小のイオン源が販売開始―

平成26年6月10日
研究推進課

横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科の高山 光男教授、関本 奏子助教らが長年に亘り行ってきた基礎研究の成果を基に、株式会社島津製作所と共同で開発し共同で特許出願中の技術が製品化されました。本製品は世界最小のイオン源を用いることを特徴とするもので、製品化は解析/分析技術の開発及びそのツールを提供している企業であるエーエムアール株式会社が行い、同社から販売が開始されました(製品名:「Corona ++」)。本製品により、極微量の化学物質を研究室内だけでなく現場で検出することが可能となり、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因となる化学物質、農産物に付着した農薬などの化学物質がその現場で検出できるようになります。

技術概要

日常生活を安全に送ったり病気の診断・治療をするためには、例えば病気の原因になる微量な物質を分析し検出することが必要とされ、それらの分析の手法の一つとして用いられるのが質量分析*1です。一般的な質量分析では、分析しようとする試料を研究室内に持ち込み、室内に設置された質量分析装置で分析を行いますが、果物や野菜、衣服表面に付着した有害な化学物質を検出するためには、持ち運びが可能で、その現場で高感度な質量分析ができる装置の開発が求められています。
それに対応するために、近年、アンビエントイオン化質量分析*2(Ambient Ionization Mass Spectrometry)法が開発されました。アンビエントイオン化質量分析法は、試料分子をレーザーやスプレーによってイオン化*3し、質量分析を行う方法ですが、近年、利用される分野の拡がりや分析対象物質の多様化などに伴って、試料中に極微量含まれる化合物を感度良く検出したいという要望はますます強まっています。高山教授、関本助教は、長年に亘るコロナ放電*4の基礎研究を応用し、針電極の形状と配置、電極に印加する電圧を調整することにより、アンビエントイオン化質量分析法のイオン化が促進されることを発見し、取扱いが容易かつ高感度なイオン化が可能となり、大幅な高感度化を達成しました。
「Corona ++」は高山教授、関本助教のこれまでの研究成果を基に,株式会社島津製作所と共同開発し、共同で特許出願中の技術を使用したイオン源です。今回、エーエムアール株式会社から、既存のアンビエントイオン化質量分析法の高感度化を目的として製品化されました。

この装置を用いることにより、例えば、既存のアンビエントイオン化質量分析法であるリアルタイム直接分析(Direct Analysis in Real Time; DART*5)法と組み合わせた場合、測定する化合物の検出感度が10倍以上、化合物によっては1000倍ほど向上します。

今後の期待

本製品により、今まで研究室や大掛かりな装置のある施設でしか測定できなかった医薬品、食品、農産物、環境に存在する極微量な化学物質がその現場において検出することが可能になります。持ち運び可能な小型の質量分析計に取り付けられることで、様々な化合物検出への応用が想定されております。例えば、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因となる化学物質をその現場で分析することが可能となるほか、果物や野菜などの農産物に付着した残留農薬の検出、空港などにおいて衣服に付着した微細な麻薬物質の検出など、われわれの日常生活の安全・保全に応用されることが期待されます。

注釈

*1 質量分析:原子や分子の質量を測定する技術.具体的には、原子や分子等を何らかの方法で気体状のイオンとし(イオン化を参照)、真空中で運動させ、電磁気力を用いて質量と電荷の比(m/z)に応じて分離・検出する。

*2 アンビエントイオン化質量分析:身近な周辺環境(ambient)に存在する物質そのものを、試料調製を必要とせず、リアルタイムでその現場(in situ)での質量分析を可能とする技術。

*3 イオン化:質量分析における「イオン化」とは、試料分子または原子を気体状のイオンにすることを指す。
真空中でイオンを生成する方法及び大気圧下でイオンを生成する方法がある。試料の化学的性質によって適したイオン化法を選択し、使用する。アンビエントイオン化法とは、加熱やレーザー、スプレーによってその現場(in situ)にある試料(例えば、野菜や果物の表面に付着している微量な農薬)を気化させ、大気圧下でイオン化する方法の総称。

*4 コロナ放電:常態で絶縁物の気体に高電圧を印加すると、気体の一部が電離し、荷電粒子すなわち電子や正負イオンが生成する。これらが電界中を移動することで気体中に電流が流れる現象を気体放電という。コロナ放電とは、ニードルと平板電極のような曲率の大きい部位を含む非対称電極を用いた場合に発生する「局部破壊」と呼ばれる気体放電状態を指す。局部破壊とは、ニードル先端(最大曲率を持つ高電界領域)にかすかな光(コロナ)が見られ、電極間にはマイクロアンペア程度のわずかな電流が流れる状態を指す(図4)。

*5 Direct Analysis in Real Time; DART:アンビエントイオン化質量分析法の1つ。加熱されたヘリウム等の不活性ガスが円筒状放電部に導入され、励起される。この活性な励起種を大気中に吹き出し、測定対象物に作用させ、気化およびイオン化させる。DART法の概念図を図5に示す。

お問い合わせ先

(本資料の内容に関するお問い合わせ)
○横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科 教授 高山 光男
 横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科 助教 関本 奏子
 横浜市金沢区瀬戸22番2号
 Tel:045-787-2431
 E-mail:takayama@yokohama-cu.ac.jp(高山)
     sekimoto@yokohama-cu.ac.jp(関本)

(取材対応窓口、資料請求など)
○公立大学法人横浜市立大学 研究推進課長 嶋崎 孝浩
 Tel:045-787-2019

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