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大学院医学研究科の中島 淳教授らの研究グループが、ハーバード大学、大阪大学等との国際共同研究で炎症性腸疾患の発症に関与する粘膜免疫の自己制御機構を発見

平成26年4月4日
研究推進課

〜英国学術雑誌『Nature』に掲載〜
(英国時間4月6日午後6時00分:日本時間4月7日午前2時00分)

横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室の中島 淳教授らの研究グループは、炎症性腸疾患の発症に関与する粘膜免疫の自己制御機構を、ハーバード大学及び大阪大学の水口裕之教授、和田孝一郎准教授等との国際共同研究で発見しました。この制御機構をヒトによる臨床研究を進めることで、病態発症の原因が明らかになる可能性があります。また、この知見をもとにしたより良い治療法の開発が進む可能性が期待されます。本研究成果は、イギリスの科学雑誌『Nature』(4月6日付け:日本時間4月7日午前2時00分)にオンライン掲載されます。

研究の概要

抗原提示細胞によるCD1dを介したNKT細胞活性化はウイルスや細菌に対する自然免疫応答に重要ですが、過剰な免疫系の活性化は時として重篤な炎症を引き起こします。研究グループらは、ハーバード大学などとの共同研究により、腸粘膜上皮に存在するCD1dがヒートショックプロテイン110(HSP110)やインターロイキン10(IL-10)とともに免疫反応の過剰な活性化を抑制する“自己制御機構”を持つことを発見しました。この発見は炎症性腸疾患発症の原因の解明、およびその治療法の開発につながるものと考えられます。

研究の背景

クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患は難病に指定されており、より完全寛解をめざした治療法の確立が望まれています。しかしながら病態発症のメカニズムは完全に解明されていないのが現状です。今回我々が注目したCD1d分子は糖脂質抗原をNKT細胞に提示することでCD1d拘束性のNKT細胞活性化し、インターフェロンγやインターロイキン4産生を増強することが知られています。このCD1dによるNKT細胞の活性化が過剰に起こってしまうことが、炎症性腸疾患発症の原因のひとつではないかということが指摘されていました。しかしその一方で、このCD1dを完全になくしてしまうと、逆に腸炎が悪化することをこれまでの研究から見つけていました。そこで我々は、「CD1dを介した過剰炎症反応の自己抑制機構」が存在するはずであると考え、研究を進めてきました。すなわち、腸粘膜上皮に発現しているCD1dは、抑制的な働きをすることで粘膜免疫系を調節しているのではないかと考えました。

本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)

本研究では、抗原提示細胞に発現しているCD1dはNKT細胞を活性化することにより炎症反応を促進するのに対して、腸粘膜上皮細胞に存在するCD1dはNKT細胞活性化を抑制し過剰な炎症反応が起こらないようにしている自己抑制機構の存在が明らかになりました。そのメカニズムとして、腸粘膜上皮細胞に発現するヒートショックプロテイン110(HSP110)、インターロイキン10(IL-10)、ミクロゾーマル・トリグリセライド・トランスファープロテイン(MTP)の3つの分子が重要な役割を果たしていることが解りました。このうち一つでも欠損させた(無くしてしまった)マウスでは、炎症反応の制御ができなくなり腸炎が悪化しました。腸粘膜上皮細胞において、これら3つの分子が協調的に働くことにより、CD1dを介した炎症反応を上手に制御していることが明らかになりました。実際の炎症性腸疾患の患者では、CD1dを介した炎症反応の制御がうまくいっていない可能性が示唆されており、腸炎患者の組織中でのHSP110の発現は健常者に比べて低下していることも明らかになりました。この制御機構をヒトによる臨床研究を進めることで、病態発症の原因が明らかになる可能性があります。またこの知見をもとにした、より良い治療法の開発が進む可能性が期待されます。

特記事項

本研究成果は、イギリスの科学雑誌『Nature』(4月6日付け:日本時間4月7日午前2時00分)にオンライン掲載されます。本研究は本学のほか、大阪大学、ハーバード大学、ケンブリッジ大学、ワシントン大学、コロンビア大学、京都大学などとの共同で行ったものです。

○論文タイトル・著者名
"Protective mucosal immunity mediated by epithelial CD1d and IL-10”
Torsten Olszak, Joana F. Neves, C. Marie Dowds, Kristi Baker, Jonathan, Glickman, Nicholas O. Davidson, Chyuan-Sheng Lin, Christian Jobin, Stephan Brand, Karl Sotlar, Koichiro Wada, Kazufumi Katayama, Atsushi Nakajima, Hiroyuki Mizuguchi, Kunito Kawasaki, Kazuhiro Nagata, Werner Müller, Scott B. Snapper, Stefan Schreiber, Arthur Kaser, Sebastian Zeissig, Richard S. Blumberg

※本研究は、文部科学省および厚生労働省科学研究補助金等の助成を受けて行われました。

お問い合わせ先

(本資料の内容に関するお問い合わせ)
○公立大学法人横浜市立大学 大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授 中島 淳
 横浜市金沢区福浦3-9
 TEL:045-787-2640、FAX:045-787-8988
 E-mail:nakajima-tky@umin.ac.jp

(取材対応窓口、詳細の資料請求など)
○公立大学法人横浜市立大学 研究推進課長 嶋崎 孝浩 
 TEL:045-787-2019

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