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循環器・腎臓内科学 橋本達夫助教らの研究グループが栄養不良による腸炎の予想外なメカニズムを解明

平成24年7月24日
研究推進課

横浜市立大学循環器・腎臓内科学(梅村敏 教授)の橋本 達夫 助教、オーストリア科学アカデミーのIMBA研究所(ヨゼフ・ペニンガー 所長)、筑波大学TARAセンター(深水昭吉 教授)の共同研究グループは、主に血圧や電解質の調節を行っているレニン‐アンジオテンシン系*1の一因子であり、これを負に制御しているACE2(Angiotensin Converting Enzyme 2)が、アミノ酸吸収や腸内環境*2を整える働きをしていることを突き止めました。


概要

栄養不良は人類死亡の主な原因であり、多くの場合下痢や腸炎を伴います。一方、レニン‐アンジオテンシン系は、血圧や電解質の調節を行っている、生体の重要な生理機構です。研究グループは、通常はレニン‐アンジオテンシン系を負に制御して心臓や腎臓などの臓器を酸化ストレスによる障害から保護しているACE2が、腸管上皮でアミノ酸吸収を制御しており、抗菌ペプチド発現や、腸内細菌叢の構成を制御している(図)という予想外なメカニズムを、マウスを用いた研究で明らかにしました。

本研究成果は、科学雑誌『Nature』(7月26日号)に掲載されます。なお、表紙に本研究が採用されます。


背景

世界では10億にも上る人々が栄養不良であり、現代でも人類死亡の主な原因である。栄養不良には多くの場合下痢や腸炎を伴います。特にアミノ酸欠乏ではペラグラ*3という下痢、皮膚炎、脳症をきたします。偏った栄養摂取が腸内環境をどのように制御しているかは、これまでよくわかっていませんでした。


研究手法と成果

レニン‐アンジオテンシン系の構成要素であるACE2の遺伝子欠損マウス(ノックアウトマウス)に、実験的に腸炎モデルを作成すると、ACE2ノックアウトマウスでは、腸炎の程度、腸管上皮の抗菌ペプチド発現や、腸内細菌叢の構成に大きな違いがある(図)ことが分かりました。ペラグラ治療薬であるニコチンアミドは、これらの違いを改善しました。
研究は、アミノ酸欠乏による腸炎のメカニズムを初めて解明しました。血圧や電解質を調節しているレニン‐アンジオテンシン系の、予想外な役割が判明しました。


今後の期待

本研究は、アミノ酸吸収障害という栄養不良でみられる腸炎のメカニズムを解明しました。すなわち、腸管上皮でのアミノ酸吸収が、抗菌ペプチド発現、腸内細菌叢を制御していました。今後は、どのようなアミノ酸が腸内環境維持に必要なのか、腸炎を含むさまざまな病態での解析が期待されます。それぞれの病態で、必要なアミノ酸を補充することが、症状改善につながる可能性があります。


用語解説

※1レニン‐アンジオテンシン系
主に血圧や電解質を調節している、生体の重要な生理機構。酸化ストレス、炎症や血管新生などの多彩な作用を持っていることが、最近報告されている。

※2腸内環境
腸内環境は、下痢や便秘といった症状と密接に関連しており、生体内で最大の免疫系である腸管免疫によっても制御されている。腸内環境は、腸内細菌叢の構成の違いと密接に関連していると考えられている。

※3ペラグラ
ナイアシン欠乏症。ナイアシンは必須アミノ酸の一つであるトリプトファンから体内で合成されるため、トリプトファン欠乏で発症する。皮膚炎、下痢、認知症を3徴とする。皮膚炎は日光に当たることで発症する光線過敏症が特徴的である。消化管症状は下痢にとどまらず、嘔気嘔吐や口内炎も伴う。脳症は認知症にとどまらず、意識障害や幻覚を伴うこともあり、最悪の場合、死に至る。治療としてナイアシンを経口摂取する。


お問い合わせ先

(本資料の内容に関するお問い合わせ)
○公立大学法人横浜市立大学医学部循環器・腎臓内科学助教 橋本達夫
 TEL:045-787-2635 Email:tatsuo_h@yokohama-cu.ac.jp

(取材対応窓口、詳細の資料請求など)
○公立大学法人横浜市立大学研究推進課長 嶋崎孝浩
 TEL:045-787-2019




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