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小阪憲司横浜市立大名誉教授が「レビー小体型認知症」発見で朝日賞受賞

診断が難しく他の病気と誤診されている例も

― この病気の治療法や予防法はあるのでしょうか。

小阪 アルツハイマー型認知症と同じように、レビー小体型認知症の原因も不明で、根本的な治療法はまだありませんが、病気の進行を遅らせることは可能になってきました。日本で開発された「アリセプト」(ドネペジル=コリンエステラーゼ阻害薬)というアルツハイマー型認知症に有効な薬があり、この種の薬がレビー小体型認知症にも効果があることがわかっています。しかし、レビー小体型認知症には公的には使用できないので、現在私が中心となって臨床治験を行っており、国に保険適用になるように申請しています。早く認可されればと思っています。

レビー小体型認知症は初期の段階では認知症が目立たないことが多いので、誤診されていることが多く、早期に見つけて適切な治療と介護が行われると、良くなる患者さんも少なくありません。また、発病の危険因子はある程度明らかになってきており、一般的に生活習慣病の予防や治療は大切で、バランスのとれた食事や規則的な運動などは、基本的な予防には効果があると言われています。

― これから超高齢社会が進行すると、患者数は増加していくのでしょうか。

小阪 高齢化が進んでいるので、これから認知症の人の数は増えていきますし、レビー小体型認知症は現状ではまだあまり知られていません。その上、診断が難しいので、きちんと診断できる医師が少なく、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病、うつ病や統合失調症と誤診されている例も相当あると思われます。レビー小体型認知症は「第二の認知症」と呼ばれ、日本ではアルツハイマー型認知症に次いで2番目に多い病気で、日本には約90万人いると推定されます。

患者や家族に信頼され親しまれる医師づくりを

― 現在はどのような活動をされているのでしょうか。

小阪 私はあくまでも臨床医ですから、今でもクリニックでの診療を続けていますが、毎週末のように講演を頼まれ、全国各地を訪れています。このほかに「レビー小体型認知症研究会」(2007年発足)を主宰し、「レビー小体型認知症家族を支える会」(2008年発足)の顧問として、毎月行われる「家族の会」にも出席したりして、忙しくしています。

― 今後の夢や計画は何かありますでしょうか。

小阪 私は臨床をずっとやってきたので、これからも続けていきたいです。私のクリニックは全国でも珍しい認知症専門の診療所なので、これを発展させていきたいですし、レビー小体型認知症の啓発活動を続けていきたいと思っています。

― 横浜市立大学で思い出に残っていることは何でしょうか。

小阪 1991(平成3)年に横浜市立大学に赴任したのですが、その年に福浦の医学部附属病院が開院したので、医局や研究室、病棟を立ち上げたことや、私が最後の附属浦舟病院長の時に附属市民総合医療センターの建設に携わり、当時の高秀市長と一緒にくわ入れ式に参加したことですね。新しいものを作るために、医師や他のスタッフと議論しながら物事を進めていったのは、思い出に残っています。

また、退官する時の最終講義で「新しいことを見つけ、新しいものを作る楽しさ」をテーマに話したのですが、それがモットーというか、意識していることです。私はこれまでに3つの病気を発見しています。ひとつはレビー小体型認知症で、2つ目が「石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化病」(小阪・柴山病)、3つ目が「辺縁系神経原線維変化型認知症」です。すべて私が主治医をしていた患者さんが原点でした。「新しいことを見つけるのは楽しい」ということを伝えたかったのです。

― 最後に横浜市立大学の教職員・学生にメッセージをお願いいたします。

小阪 私は医学部のことしかわかりませんが、最近の医師は「患者をきちんと診ることをしない」と言われています。私の元に来る認知症の患者さんの中には「最近のお医者さんは私を見ないで診察をするんですよ」と言う人もいます。聴診器もあてず、パソコンに向き合ってキーボードを叩くだけの医師が増えています。患者や家族の話をきちんと聞いて、診察するのが基本ですが、それを忘れているのではないかと思います。患者や家族に信頼され、親しまれる医師づくりをしてほしいですね。

それと、何も医師だけに限ったことではありませんが、相手に信頼されるには、目を見てきちんと話をすることが大事です。そうした基本は忘れないでほしいですね。私は、初診の患者さんには2時間はかけてじっくり話を聞くことにしていますし、再診でも一人30分はかけます。そのために、全然もうかりませんけどね(笑)

(2014.1.14 取材 経営企画課広報担当)

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