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HOME > 研究・産学連携 > 医学研究科 松本教授らの「難治性てんかん性脳症の原因遺伝子に関する研究」が『Nature Genetics』オンライン版に掲載されました!

医学研究科 松本教授らの「難治性てんかん性脳症の原因遺伝子に関する研究」が『Nature Genetics』オンライン版に掲載されました!

難治性てんかん性脳症の原因遺伝子を発見! -シナプス小胞の開口放出障害がてんかんの原因に-

横浜市立大学医学研究科・才津浩智助教、松本直通教授(遺伝学教室)らは、新生児期から乳児期早期にかけて発症する難治性のてんかん性脳症である大田原症候群の原因遺伝子を発見しました。この研究は、山形大学小児科・加藤光広講師を中心とする小児神経専門医グループ、横浜市立大学医学研究科・緒方一博教授(遺伝発現制御学教室)らとの共同研究※3による成果であり、横浜市立大学先端医科学研究センターが推進している研究開発プロジェクトの成果のひとつです。

大田原症候群(early infantile epileptic encephalopathy with suppression burst:EIEE)は、難治性のてんかん発作に加えて重度の精神運動発達遅滞を呈するてんかん性脳症であり、小児神経科医の大田原俊輔先生が1976年に世界にさきがけて疾患概念をまとめたものです。
共同研究グループは、全ゲノムマイクロアレイを用いた染色体構造異常のスクリーニングを行い、1人の患者さんで第9染色体の微細欠失を同定しました。この領域に位置するSTXBP1遺伝子について他の患者さんで遺伝子変異を調べたところ、4人の患者さんで特異的な変異を認め、うち3つは新生突然変異であることを確認しました。STXBP1遺伝子は神経細胞におけるシナプス小胞の開口放出に重要な役割を果たすことが知られているMUNC18-1タンパク質をコードします。共同研究グループは、患者さんで見つかった変異を有するMUNC18-1は構造的に不安定で、また機能が著しく低下していることを明らかにしました。
本発見は、治療に抵抗性を示す重度のてんかん性脳症の原因遺伝子を明らかにしたばかりでなく、シナプス小胞の開口放出障害という新しいてんかんの発症機構を強く示唆するものです。今後、シナプス小胞の開口放出という観点からてんかんの病態の理解がすすみ、本疾患の新しい治療法の開発に大きく寄与することが期待されます。

特に、新生児期から乳児期早期に発症する難治性てんかんでは、原因遺伝子が明らかになっていない症例がほとんどであり、予後の推定、治療方針の決定、遺伝カウンセリングなど、診療の様々な局面に大きな問題を与えています。今回、EIEEの原因遺伝子の1つがSTXBP1遺伝子であることを世界に先駆けて発見したことは、EIEEの遺伝子診断を可能とし、この分野の医療を一歩前進させる成果となりました。また、EIEEの原因遺伝子の同定により、今後、EIEEの病態、発症のメカニズムが急速に解明され、近い将来、治療に繋がることが期待できます。さらに、STXBP1以外のシナプス小胞の開口放出に関わる遺伝子の変異を調べることによって、新たなてんかんの原因遺伝子を見つけることが期待できます。

STXBP1変異の見つかった大田原症候群患者の臨床所見

STXBP1変異をもつ大田原症候群患者のMRI検査では、全症例で明らかな脳形成異常を認めなかった。また、脳波では著明なsuppression-burstパターンを認めた。

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