医学部看護学科・医学研究科看護学専攻医学部看護学科
医学研究科看護学専攻

CNS修了生の声

本専攻を修了し、現在、CNSとして活躍中の修了生の声を紹介します。

1期生 横浜市立大学附属病院 感染専門看護師 青盛真紀

入学までの経緯

 私は、本学看護短期大学部を卒業後、ICUで臨床経験を積みました。ICUでは一人の患者にじっくり時間をかけて関わることができ、看護のやりがいを実感する3年間でした。一方、易感染状態にある患者が感染症を合併し不必要な治療が行われ、入院期間が延長することや危機的状況に陥る患者を傍にいつもジレンマを抱えていました。当時、様々な図書や文献を読みましたが、一貫した答えが得られないことや知りたい情報にたどり着かないことが多くありました。そこで、少しでも疑問を解決できるような方法や思考を身につけたいと思い、本学看護学科3年次に編入しました。在学中、今まで医療者側の立場で捉えていた感染管理から、感染症患者の看護にも関心が深まり、“HIV感染が患者の生活に影響を及ぼすこと”をテーマに卒業研究をまとめました。大学卒業後、さらに専門的な視点で感染看護を学びたいと思い、大学院へ進学し、本学附属病院にも就職しました。入職後約1年半は感染症病棟、その後は無菌室に異動し、感染看護の臨床実践に携わりながら、大学院生として学びました。

専門実習での学び

 専門実習では、感染症また易感染状態のため隔離された環境にある患者を受け持ちました。感染症患者に対する看護は、疾患の治療と他者への二次感染を防止するため内服支援が鍵となります。また、感染症に対する社会の偏見や長期隔離入院による患者の精神的負担は想像を超えるものがあり、感染症患者に対する精神的支援の難しさも痛感しました。 一方で、患者が看護師に様々な気持ちを表出することで、それを受け止める看護師自身もストレスを抱えていることに気付きました。このような課題に対し、病棟という集団にどのようにアプローチしていくのかという管理的な視点も学ぶことができました。ひとつの現象にとらわれるのでなく「真の問題はどこにあるのか?」と一歩ひいて問題を俯瞰することを心がけ、実習に臨みました。

課題研究への取り組み

 在学中は、「HIV感染症患者の抑うつの実態と関連要因」をテーマに課題研究に取り組みました。長期療養の中で、患者は薬の副作用や家族のこと、仕事のことなどで悩むことが少なくありません。患者の中には、精神的に辛くなり服薬を中断し入院治療を余儀なくされる場合もあります。その背景には心の問題が潜んでいることが多く、米国では先駆的に研究が行われていることが分かりました。一方、国内ではまだまだ研究が少ないのが現状です。そこで、本研究によりHIV患者に対して予測的な視点をもった看護介入につなげていきたいと考え、課題研究に取り組みました。

CNSとしての現在の活動

 私は感染看護学分野を修了し、平成26年に感染症看護専門看護師の認定を受けました。在学中は、他分野の学生と活発な議論ができ、知的好奇心を揺さぶられる特別な環境でした。先生方からは、在学中の課題研究や専門実習を始め、専門看護師認定試験に至るまで熱心で温かなご指導を賜り、論理的思考に基づいた実践の展開の難しさを日々感じています。現在は、リウマチ・血液・感染症内科 呼吸器内科でスタッフナースとしての立場を活かして易感染患者の看護と感染管理の両側から教育や相談を行っています。臨床では、感染症看護の問題が山積しており、精神看護やがん看護など他分野のCNSとの協働も視野に入れ、今後、さらに活動の場を広げる必要があると感じています。
(2014.7.9記)

1期生 羽島市民病院 精神看護専門看護師 桐山啓一郎

入学までの経緯・入学後の学び

 横浜市立大学大学院には1期生として入学しました。今では院生室は2つありますが、当時は院生が12名と少なく全分野の院生が1つの院生室で過ごしていました。それぞれの院生は看護への強い思いと探究心をもって入学しており、院生室では分野を超えてディスカッションや自発的な勉強会をしていました。精神看護、がん看護、小児看護、感染看護、地域看護と分野は違いますが、共通科目の講義や院生室での看護に対する質の高い交流は、他では得難いものでした。全分野で臨んだ共通科目の中で、とりわけ印象深いのは「看護倫理」の講義です。大学院入学前、私は意見の合わない看護師や医療職者について憤りを覚えることが多くありました。しかし、看護倫理の講義では看護は基本的に善意で行われているという前提の下、倫理原則に基づくそれぞれの看護師の立ち位置と倫理的な葛藤を学びました。入学前に抱えていた憤りを倫理原則に当てはめ考えると、それまでになかった考え方に気が付き、また、分野や経験の違う院生とディスカッションすることでさらに視野が広がりました。

専門分野での学び

 精神看護学分野では、精神科看護からリエゾン精神看護まで幅広い学びをすることができました。自分が大学院入学前までに受けた教育や、実践してきた看護の理論的根拠や発展・限界性などを学びさらに知見が深まるとともに、修士論文にも生かすことができました。首都圏の大学院ですので専門実習先も専門看護師が長く所属し活動が根付いている施設で行うことができ、複数の先輩専門看護師の実践を学ばせていただきました。指導教授には講義から論文執筆までとても丁寧に指導していただき、修了後も専門看護師試験や研修会など継続的にきめ細かいフォローを頂いています。

CNSとしての現在の活動

 今は岐阜県の羽島市民病院で勤務しています。当院は看護部長と2人の副看護部長が認定看護管理者であり専門看護師制度への理解が深く、入職時から専門看護師候補として組織がとても手厚くバックアップをしてくれました。岐阜県は精神看護専門看護師が私を入れても2人しかおらず、専門看護師の活動としては開拓期にあります。そのような状況下で、専門看護師に理解を示す上司が居てくれたことはとても恵まれていました。
大学院修了後から専門看護師認定までは、院内認定のリエゾン精神看護師として活動し、担当の副看護部長のスーパーヴィジョンの下、専門看護師の6つの役割(直接ケア、相談、調整、倫理調整、教育、研究)に準じた活動を行いながら、専門看護師試験に向け事例を執筆するなど準備をしました。運よく大学院修了の翌年度に専門看護師の認定を受けることができましたが、組織のバックアップがなければ実現しなかったと思います。
 現在は精神看護専門看護師として、精神疾患に罹患した患者様からリエゾン精神看護の対象となる患者様まで幅広く介入させていただいています。活動開始から1年が経過し、1年前よりは活動が認知され始めていることを少しずつ感じるようになりました。依頼の多い直接ケアや相談では、せん妄状態を呈した患者様への看護介入、医師の指示の下での頓服薬の使用、行動制限の最小化などに取り組んでいます。特に行動制限の最小化や解除には重点を置き、精神科看護の視点を生かした直接ケア・相談や医療安全と協働したラウンドなどを行っています。今年度は倫理調整に力を入れ、院内全体の倫理観の醸成を目指し、看護師や看護補助者に向けた倫理研修を実施しています。また、看護研究サポートや患者-看護師関係についての相談などを通して、少しでも臨床現場で活躍されている看護職の皆さんのお力になれれば、と考え活動しています。
精神看護専門看護師1年目として毎日考え、悩み、やりきれない思いをすることもありますが、折に触れ大学院での学びを振り返りながら、職場の皆さんや大学院の同期生、そしてご指導いただいた先生方のサポートを受け続け、日々を過ごしています。

横浜市立大学大学院への進学を志す方へ

 大学院は講義、論文執筆、さらに仕事と多忙ですが、修了し1年が経過してから振り返るととても充実していたと感じます。また、私は地方出身者で大学院進学まで首都圏に出ることはほとんどなかったので、実際に出ることで地理的な学びやすさを実感しました。豊富な学習資源に加えて、人やモノが集まる首都圏にある横浜市立大学大学院は、看護を深めるのに最適な教育機関だと思います。
(2014.6.14記)

看護学専攻修士課程(2018年度より博士前期課程)