YCU 横浜市立大学

生命ナノシステム科学研究科 物質システム科学専攻の高見澤研究室が、水素ガス透過分離特性を有する金属錯体単結晶膜の合成と新しいガス透過機構を見出しました!

2014.05.26
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生命ナノシステム科学研究科 物質システム科学専攻の高見澤研究室が、水素ガス透過分離特性を有する金属錯体単結晶膜の合成と新しいガス透過機構を見出しました!

高見澤研究室(国際総合科学部 物質科学コース・大学院生命ナノシステム科学研究科 物質システム科学専攻)による最新の研究結果「A preferable molecular crystalembrane for H2 gas separation」および「Gas Permeation in a Molecular Crystal and Space Expansion」が、それぞれ英国の化学専門誌 Chemical Communications(平成26年4月4日付)と米国の化学専門誌Journal of the American Chemical Society(平成26年4月30日付)に掲載(オンライン)されました。 
図1. (a) 単結晶膜1の結晶構造、(b) 単結晶膜1のガス透過性

研究の概要

高見澤研究室では、ガスをゲストとする超分子科学の研究を行っており、新しい環境・エネルギー・機能性材料を志向した応用展開も目指しています。今回、金属錯体単結晶膜で高い水素選択透過性と水素透過性における新しい知見を見出しました。新たに合成した [Cu(II)2(9-AC)4(pyz)]n (9-AC: 9-anthracenecarboxylate, pyz: pyrazine) (1)は、既存のガス分離膜に比べて高い水素ガス分離能をもつことがわかりました。これは、水蒸気改質ガス中に混在する一酸化炭素、メタンを除き、水素ガスを精製できる特性です。(図1) 
図2 (a) 単結晶膜2の結晶構造,(b) 結晶2内部の空間拡張効果の模式図
また、別の新規単結晶膜 [Cu(II)2(4-F-bza)4(2-mpyz)]n (4-F-bza = -fluorobenzoate; 2-mpyz = 2-methylpyrazine) (2) を用いたガス透過特性の解析から、ガス分子が結晶内部の細孔を拡張させながら拡散する機構を実験的に明らかにしました。この細孔拡張効果は、水素でもっとも大きく、水素ガスの精製材料設計に新たな指針を与えるものです。(図2) 

今後の期待

この二つの論文は、これまで不明であったサブナノサイズの固体内空間におけるガス拡散挙動に新知見を与えるものであり、グリーンイノベーションに向けた高効率のガス分離材料設計に有用な指針を与えるものと期待されます。

※本研究は文部科学省補助金(高見澤)、日本学術振興会 特別研究員奨励費(高崎:DC2) および横浜市立大学 戦略的研究推進費(「水素エネルギー有効利用に向けた基盤技術の構築」(橘勝代表))の助成を受けて行われました。 
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