生命ナノシステム科学研究科生命ナノシステム科学研究科
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法人化後初、YCU博士号(理学)を有す国立大学教授が誕生

2014.12.18
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法人化後初、YCU博士号(理学)を有す国立大学教授が誕生

2006年4月、横浜市立大学大学院生命ナノシステム研究科の前身である国際総合科学研究科博士後期課程に文部科学省国費留学生として進学した、 S. M. Abe カウサル氏は、2009年3月に博士(理学)の学位を授与され、博士号取得5年目の2014年4月、バングラデシュ国立チッタゴン大学大学院理学研究科化学専攻教授に就任しました。研究科修了者による法人化後初の国立大学教授誕生に加え、横浜市立大学大学院による高度な教育と日本学術振興会外国人博士特別研究員プログラムとが国際的に貢献した実績として記しました。

チッタゴン大学は40の学科、750名の教授、約2,000倍の超難関倍率を勝ち抜き入学した22,000名の学生・大学院生を擁す、バングラデシュ国拠点大学の一つです。 2006年、「グラミン銀行」の創設でノーベル平和賞を受賞した、同大経済学部教授 ムハマド・ヤヌス博士を輩出したことでも世界的に知られます。

S. M. Abe Kawsar(エス・エム・アベ・カウサル)氏(1972-)は、当時同大理学部化学科Assistant Professorの職に就く有機化学者で、博士号取得を目的に文部科学省国費留学生として2005年10月に来横しました。チッタゴンと横浜がともに港都で親しみを感じられ、将来タンパク質や糖鎖などの生命科学が化学分野でも重要になると考えたことが、進学先選定のポイントだったと、 当時のインタビューで述べています。
 

横浜市立大学大学院では、同研究科教授 大関泰裕の指導で 「糖鎖結合性タンパク質(レクチン)の単離と構造解析」を研究し、4報の学術論文を著して博士の学位を得ました。同年9月には 日本学術振興会(JSPS)外国人博士特別研究員に採任され、科学研究費補助金を受けてレクチンのグライコミクス構造解析研究を行い、2011年9月の帰国までに本学から10報の論文を出版しました。

2014年4月、カウサル博士は、バングラデシュ国科学省による審査と承認を経て、チッタゴン大学大学院理学研究科教授に就任し、現在、博士課程大学院生を受け入れ、大学院教授として、バングラデシュ国の未来を担う若手研究者の育成に取り組んでいます。 

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