平成１１年１月１１日の医療事故発生後，私たちは，事実確認，原因究明，及び事
故防止のための緊急対策を実施するため，１月１４日，学内に「事故対策委員会」を
置き，１月２１日に「事故調査委員会」を横浜市に設置しました。「事故調査委員会」
の報告書は３月２２日に公表され，「事故対策委員会」の「中間とりまとめ」をその２
日後に公表しました。
さらに４月，学内に医学部長を委員長として「病院改革委員会」を設置し，学部長，
病院長，看護短大部長，独立大学院の研究科長，看護部長などの参加を得て，全学を
挙げて検討を重ね，「病院改革委員会報告書」を９月に発表しました。
病院改革委員会報告書は，病院長による指導体制の確立等の抜本的な病院改革と今
回の医療事故に関する再発防止策から構成されています。そして，この病院改革が着
実に実施されているかについて，病院改革自己点検・評価委員会を設置して，改革の
進捗状況を点検・評価いたしました。しかし，自己点検・評価であるために，客観的
な視点に欠ける，あるいは厳しさに欠けるなどの面が懸念されます。
そこで，外部の方々から公正で客観的な評価をいただくため，１０月に「病院改革
に関する外部評価委員会」を設置し，猿田享男慶應義塾大学医学部長をはじめ各々の
専門分野から７名の委員にご就任いただきました。評価の基礎資料としては「病院改
革自己点検・評価報告書」を中心とし，３回の委員会で広い視点からのご意見・ご批
判をいただきました。委員会は１２月に終了し，このたび「外部評価報告書」が完成
し，横浜市長に提出されました。
外部評価委員の先生方には，ご多忙中にもかかわらず，委員の就任をご承諾いただ
き，また多数の資料に目を通して下さり，かつ貴重なご意見を賜り，「外部評価報告書」
の作成に多大なご尽力をいただきましたことに対して心から感謝いたします。
私たちは，この報告書に盛り込まれた数々のご提言やご示唆を真摯に受け止め，さ
らに病院改革を継続してまいります。そして病院改革を名実ともに現場のすみずみで
実行に移すのは，まさにこれからです。医療従事者の真剣な意識改革が必要です。そ
れによって横浜市立大学医学部附属病院は，「市民が心から頼れる病院」になれるもの
と信じます。
平成１２年２月１４日
横浜市立大学 学長
加 藤 祐 三