ナビゲーションをスキップして本文へ
  • 通常版
  • テキスト版
  • 交通・キャンパス案内
  • サイトマップ
  • 大学トップ

研究者検索


ここから本文

HOME  > 平成20年度から平成27年度の内容  > 平成25年度の内容  > 平成25年度開催報告

平成25年度開催報告

平成25年度のひらめき☆ときめきサイエンス「次世代のロボットを作れ!〜人間の知覚を知って繋がる未来〜」は、31名の高校生の皆さんとともに始まりました。

科研費について

教授ミケレット・ルジェロによる科研費についての説明

研究者は、こんな研究がしたい!というアイディアを生み、研究を行います。しかし、研究を進めるためには、研究に必要な物を買う等のお金(=研究費)が必要になります。
学校でテストを受けるように、研究者も研究費を国から支援してもらうためにテストを受けていて、中でも多くの研究者を支え、未来への研究に繋げているのが科研費(科学研究費助成事業)であることを、ミケレット先生から教えてもらいました。
ミケレット先生からの「将来、研究者になって科研費にTryしたい人はいますか?未来の研究者を目指して、今日1日、一緒に学びましょう!」というオープニングコールで、ひらめき☆ときめきサイエンスのスタートです。

講義 知覚情報科学・生物の五感について

「カオス・複雑系と知覚情報科学」教授大月 俊也による講義

現代社会は劇的に変化をしました。例えば、天気予報はスーパーコンピュータが使用されるようになりました。しかしながら、その試算速度は日々向上しているものの、天気予報は完璧にはなりません。それは、環境等の影響による試算誤差の積重ね「カオス・複雑系」という壁が存在しているからです。
日本のスーパーコンピュータ「京(ケイ)」は1秒間に1兆の1万倍の回数(=1京回)を計算することができますが、決して万能ではありません。科学は万能ではないのです。
「ひらめき」は「感」や「勘」であり、科学の原動力(進歩)になります。「ときめき」は「好奇心」であり、科学の原点(出発点)になります。これらが万能ではない科学を支えているのです。
知覚情報科学は「ひらめき」のメカニズムと言えますが、その仕組みはよく分かっていません。将来、みなさんがその仕組みを解明し、「ひらめく」ことのできるロボットを、ぜひ開発してください。
大月先生から科学の本質を学び、エールを受けて、次の講義に挑みます。

『「脳と神経伝達」を有機化学から』教授 及川 雅人による講義

人間はなぜバナナの香りを感じることができるのでしょうか。それは、バナナから放出される化合物が、鼻の中で嗅覚をつかさどる嗅覚細胞にくっつき、そのシグナルが脳へと運ばれ、脳での情報処理の結果、「香り」を感じることができるためです。(=嗅覚)
次に、トウガラシを食べると体はどのように感じるでしょうか。温かく感じます。人間には43度以上の温度刺激で反応するタンパク質が末梢神経の表面にあり、これがトウガラシの成分であるカプサイシンとくっつくと、同様に反応を起こし「暑い」と感じさせます。(=触覚)
有機化合物のはたらきが神経伝達によって脳に伝わり、脳によって五感が働いていることを学んだ受講生は、驚嘆の面持ちで、次の及川先生からの熱いメッセージを受取りました。
「私は研究を通じて世界中に友人がいます。彼らも私も、研究することを楽しんでいますし、生きがいを感じています。みなさんも今日のプログラムを通じて、大学での研究の楽しさを体感していってください。」

実習 人間の五感とは?錯覚について観測し、知覚の間違いを体験しよう

コンピュータの計算速度は日々速くなっていますが、人間の知能と同じような高度なコンピュータは作られていません。「なぜ?でしょう」
人間のニューロン(神経細胞)の伝達速度が、スーパーコンピュータと比べて遅くても知能が高いのは、「想像力」まさに「ひらめく」ことができるからです。脳の中には、たくさんの謎が隠れていますが、なぜ「ひらめく」ことができるのかという謎を解き明かすことができたならば、社会は劇的な変化を遂げることができると考えられています。

では、Necker Cubeを見てみましょう。これは2次元の図で「箱」です。しかしながら、いろいろな見方によって、私たちはさまざまな3次元の箱を想像し、見ることができます。
つまり、人間は目で見て脳で処理をしていますが、過去の経験から推測して自動的に処理しているのです。生まれてすぐの子どもは、過去の経験はありません。新しい脳です。そのため、目で見て、触れることによりどんどん経験値を増やしていくのです。
また、このことにより人間は、物体の真の姿をわかっていないことが多いのかもしれません。いわゆるは錯覚であることが多いのかもしれないのです。

錯覚は観測ができても、数学的説明ができなければ研究にはなりません。錯覚に関する脳の研究はあまり進んでいませんから、研究の余地がまだまだあります。みなさんが研究し、ぜひ解明して欲しいと願っています。
ここで、いろいろなトリックアートを使った、錯覚(知覚の間違い)を体験しました。また、この他にも、脳波の測定をするデモンストレーションも行いました。

お昼休み

昼食

先生や大学院生と午前中のプログラムを振り返ったり、大学での研究や、学校での勉強について等を話しながら昼食をとり、一休みです。

マジックショー

一息ついたところで特別ゲスト、マジシャンWADDYさんによる錯覚を利用したマジックショーが始まりました。
まず、「マジックを見るうえでのマナー」について説明があり、いよいよ、カードマジックからスタート!
受講生のひとりが選んだカードにペンで印をつけ、元の束に差し戻します。そこで、WADDYさんが指を鳴らして、一番上のカードをめくると。。。なんと!?先ほど印をつけたカードが出現しました!!「おぉ〜」と歓声があがります。

この他にも、コインが移動をするマジックや、切れ目のない鎖にリングを通すマジック等々、目白押し!今回WADDYさんが披露したマジックによって、午前中の実習でも経験した、『人間の脳は、過去の経験がないと「真実の姿」を見ることができない』ということがよくわかりました。受講生は最後まで驚きの声を上げながら、大盛況のうちにマジックショーは終了しました。

講義「ゲシュタルトの理論、他の動物の脳の理論について」

目は小さなデジタルカメラがたくさん集まっているようなものです。そこで得られた情報は、ニューロンによって電子的なシグナルへと変えられ、脳に情報伝達されます。これらは一定のリズムを持っています。
ではここで、とても悲しんでいる猿の脳に電極をつなげ、脳波を測定した時のシグナル音(spike)を聞いてみましょう。どうでしょうか。「プスッ、プスッ、プスッ」という音が聞こえます。そして音は一定のリズムを刻んでいます。
私たちは普段気付いていないけれど、光等の刺激を受けるとニューロンがその刺激を電子的なシグナルに変換し、脳へ送っていることを学ぶことができました。

実習「小型ロボットを作って体験しよう」

いよいよロボット作りに挑戦です!ベースとなるものに、タイヤ、超音波センサー、サウンドセンサー等の部品を組合せ、どんなことができるロボットを作るのかを各班で決めます。各班、これまでの講義を活かして、自由な発想のもと、ユニークなロボットを考えました。

作るロボットを決めたら、次はそのロボットに合ったプログラミングです。ソフトを使ってプログラムを組みますが、なかなか難しい。分からないことや、困ったことがあれば、ミケレット先生や大学院生に聞いて「Let's Try!!」

作業の間にはさらに発想を豊かにしたロボットの例として、フライトプランをプログラミングできるヘリコプターを飛行させました。これは、新しいロボットの形として注目されていて、受講生も自分たちのロボットへのプログラミングに、ますます意欲を沸かせていました。
ここで、各班のロボット作品の紹介です。どうでしょうか。各班個性豊かなロボットが勢ぞろい!

試行錯誤して取り組む姿はまるで研究者。夢中になって、時間が足りない人続出!?
ミケレット先生は「『ひらめき』があれば、今は想像もされていないようなロボットを作ることも可能だ」と未来の研究者たちに伝え、実習を終えました。

未来博士号の授与と記念撮影

今日一日のプログラムを修了した記念として、ミケレット先生から「未来博士号」をひとりひとりに授与しました。そしてみんなで記念撮影。

未来の研究者であるみんなの中の「ひらめき」と「ときめき」を刺激できたでしょうか。またお会いできる日を楽しみにしています。