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HOME  > 平成20年度から平成27年度の内容  > 平成24年度開催報告

平成24年度開催報告

平成24年度のひらめき☆ときめきサイエンス「のぞいてみよう!免疫のしくみ〜大食い細胞マクロファージの働き〜」は、89名の応募者の中から、29名の高校生の皆さんとともに始まりました。

科研費について

最初に、西山先生から科研費についての説明。
医学部ではこれまでわかっている医学を伝えるばかりでなく、新たな医学を作り出しています。それは、人間がより健康な生活を送れるように、まだわかっていないことの多い様々な病気について、その治療法を開発するために一生懸命研究しているからです。
その際に必要な研究費として、国からの科研費が未来の科学を支えるためにとても重要であり、毎年約10万件の応募の中から、特にすぐれた3割程度の研究しか採択されない競争的研究費であること、また、ひらめき☆ときめきサイエンスは、日本や世界の将来を背負ってたつ若者に、研究の意義についてわかりやすく紹介する試みであることなどの説明がありました。

実験について

市野先生から、本日の実験に関する説明。 
実習室での注意点は原則「飲食禁止」。実習室の中には危険な薬品等もあるため、誤って飲んだり食べたりしないためです。

マクロファージとは

引き続き市野先生から今回のテーマであるマクロファージの説明。
免疫細胞の一種であるマクロファージは、骨髄の未熟な細胞から分化します。そして、皮膚の下や粘膜の下で待ち構え、侵入してきた病原微生物など貪食して壊します。このようにして、免疫の最前線で私たちの体を病原微生物から守ってくれる大切な細胞がマクロファージです。

次はマクロファージの研究をしている黒滝先生からの説明。
マクロファージは体のいろいろな場所に存在し、その場所に応じていろいろな名前を持っています。骨の中にいるマクロファージは破骨細胞といって、骨を新しく作りかえる際に骨を溶かす役目を果たしています。破骨細胞が働きすぎると骨粗鬆症になってしまいます。また、腸管で病原菌などを排除し、食べ物を排除してしまわない仕組みにマクロファージが関係していると言われています。

実験開始!

いよいよ、手袋をはめて実験開始です。2人で1班です。まずはピペットマンの使い方の説明。慣れている人も慣れてない人もワクワクした面持ちです。

腹腔マクロファージの貧食試験

培養したマクロファージに蛍光標識ビーズ、またはヒツジ赤血球を食べさせて、染色後、顕微鏡で観察します。まずは、マクロファージをあらかじめ培養してあるチャンバースライドグラスにピペットマンを使って、壁を伝わらせながらビーズ液、またはヒツジ赤血球を入れ、インキュベーターの中で培養します。ピペットマンをうまく使いこなして、そっと入れることができるでしょうか。

腹腔浸潤細胞標本のライトギムザ染色と観察

野生型マウスとIRF8ノックアウトマウス(転写因子のIRF8遺伝子を欠損するマウス)のスライド標本を、ライトギムザ液で2分30秒染色し、水に10分間漬け置きしてから扇風機で風を送り乾かします。(これを風乾といいます。)腹腔浸潤細胞にどのような細胞がいるか(マクロファージがいるか?)、野生型マウスとノックアウトマウスで比べてみましょう。

顕微鏡の使い方と染色済み標本の観察

スライドを水につけている間、長嶋先生から顕微鏡についての説明。 まずは顕微鏡の取り出し方と、セットの方法の注意から。そして使い方の基本をおさらい。「ステージを一番上に移動させてから、だんだん下げていきピントを合わせます」。また、医学部生がイラストで示しながら、フォローをしてくれるので、とてもわかりやすいです。待ち時間などを利用して、あらかじめ染色してある骨髄細胞、胸腺細胞、血液塗沫標本の観察をします。

お昼ごはん

先生や、医学部生一緒にお昼を過ごしました。いろいろな質問やおしゃべりをして緊張がほぐれました。

腹腔マクロファージの貧食試験のつづき

みんながお昼ご飯を食べている間に、マクロファージは蛍光ビーズや赤血球を食べていたでしょうか。染色をして観察しましょう。細胞をはがさないよう慎重に培養液を吸い取ります。ヒツジ赤血球を入れた方には、赤血球溶解液を入れて食べられていない赤血球を壊します(これで食べられた赤血球だけがマクロファージの中に見えるはずです)。

このあとビーズを加えた方とともに、メタノールを入れて細胞を固定し、ライトギムザ染色を行い風乾します。チャンバースライドグラスのチャンバー部分をはずす作業も無事こなし、午前中のぎこちない動作に比べて器具の使い方などもだんだん慣れてきているのがわかります。

腹腔浸潤細胞と赤血球貪食マクロファージの観察

腹腔浸潤細胞と赤血球貪食マクロファージのスライドは、各自の顕微鏡で観察すると共に、長嶋先生が『ディスカッション顕微鏡』を使って解説をしてくれました。 ディスカッション顕微鏡を使うと、一度に10人が同じ標本を観察できます。IRF8ノックアウトマウスの腹腔浸潤細胞にはほとんどマクロファージがいないことから、IRF8という遺伝子がマクロファージを作り出すことにとても大切であることがわかります。 そして、腹腔マクロファージの中にヒツジ赤血球がたくさん取り込まれている様子が観察できました。また、携帯電話のカメラを顕微鏡の接眼レンズに合わせ、マクロファージを撮影することもできるのですが、なかなかピントのタイミングを合わせるのが難しく、うまく撮れた時は歓声を上げてお互いに見せ合ったりしました。

蛍光ビーズ貪食マクロファージの観察

各班順番に蛍光顕微鏡のあるイメージング室に移動します。蛍光顕微鏡で観察すると、きらきら光る蛍光ビーズがマクロファージの中に取り込まれている様子がわかります。また、自分たちのスライドを記念として、画像に記録※してもらうことができました。

Labo.探検

免疫学教室の一室にある大学共用機器の共焦点レーザ顕微鏡です。 蛍光像の観察に加え、動画の撮影や、細胞等の断面を見ることができる顕微鏡です。マクロファージがヒツジ赤血球を食べる様子を高速の動画で見ることができました。また細胞を綺麗に染色することの難しさや、論文は紙媒体だけではなく、インターネット上でも掲載・閲覧ができる時代でもあるので、動画を撮影することも大切なのだと、大学院生が熱心に説明をしてくれました。

シミュレーションセンター

次は、シミュレーションセンター。消化器・腫瘍外科学の秋山先生が説明をしてくれました。 シミュレーションセンターとは、医師や看護師、医療にかかわるすべてのスタッフが医療手技スキルアップをはかるためのトレーニング施設です。シミュレーター(人形)や内視鏡検査・腹腔鏡手術の訓練用コンピュータ(バーチャルリアリティシステム)が設置されており、点滴・採血から救急蘇生までさまざまな手技を身につけることができます。 腹腔鏡手術の訓練用コンピュータを実際に試したり、内視鏡検査のシミュレーターでは失敗するとリアルな音声が出ることにみんな驚きの声を上げていました。

表彰式

参加してくれたみなさん、ひとりひとりに長嶋先生から「未来博士号」の授与がありました。記念撮影を終えた未来の研究者である高校生の目はキラキラ輝いて、今日見たり・感じたりした『ひらきめ』と『ときめき』を胸にイベントは終了しました。