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診療科・部門案内

集中治療部

基本方針

  • 万全な看護体制のもと重症患者さんの治療に努める
  • 多部門の専門医を交えた集学的医療の提供
  • 重症患者さんとご家族の意思を尊重する
  • 日々の研究や最新のテクノロジーを活用して治療の質向上と未来に繋がる医療の貢献を目指す

部門の概要

当院集中治療室(Intensive Care Unit 以下ICUと表記する)は1968年設立という、日本の大学病院のなかでも有数の歴史を誇ります。
大学病院という性格上、侵襲度の大きな手術が少なくありません。具体的には成人および小児の心臓大血管手術、脳神経外科、肝臓移植術、肝臓癌、膵癌、胆嚢癌、食道癌などの手術が行われており、その後、患者さんは術後ケアのためICUに入室されます。また、術後ではなく入院、再来患者さんのなかで重症な感染症やショック患者等も入室対象となります。
集中治療室内ICUでは、最新のモニタリング機器のもと、人工呼吸管理、人工心臓管理、持続および間欠的血液濾過透析など様々な生命維持装置の稼働が常時可能で、重症患者さんの救命に貢献しております。
患者さん2名に対し少なくとも1名の看護師を配置し、集中治療部専従医師により24時間、365日常駐体制が敷かれています。患者さんの入室時、および毎朝のICUカンファレンスには集中治療部医師、主治医に加えて看護師、臨床工学技士、薬剤師などが参加しており、歯科医師、理学療法士による定期的な回診も実施され集学的治療を実践しています。
重症患者さんで終末期医療に移行する場合には、多職種でカンファレンスを行い、患者さんやご家族の意思を尊重して最適な治療方針を決定しています。
集中治療室では、入室した患者さんのデータを活用して重症度アルゴリズムの構築や医療の質の評価を行なっています。
将来の医療に繋がる研究活動も活発に行なっております。

実績

入室実績 令和4年度1844件

研究内容 ※抜粋

遠隔ICUシステム

2020年度から集中治療における遠隔診療(遠隔ICU)を用いた診療支援も開始しており、医療の質改善や働き方改革に繋がるテクノロジーの積極的な活用をしています。

COVID-19後遺症治療薬の開発

COVID-19感染後の倦怠感症状(倦怠感、うつ症状)のドネペジルによる軽減効果を検証しています。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和4年度「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」に採択されています。

ARDSを対象とした大規模国際協力研究

急性呼吸窮迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome:ARDS)は死亡率の高い(36〜45%)疾患であり、ICU入室患者の10%はARDSだとも言われています。しかし、疫学的知見や治療戦略が不足している状況です。
どのようなケアがARDSの予後に寄与するのかを明らかにするべくICUケアから退院後の予後まで調査しています。
世界中から参加を募り研究を進めており、本研究用に電子データ収集 (EDC)サイトを立ち上げました。