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大動脈疾患

大動脈疾患に対する本邦における年間外科治療数は、胸部大動脈が約15,000例、腹部大動脈が約9,000例であり、近年増加しつつあります。

(1)大動脈疾患は(A)大動脈瘤と(B)大動脈解離の二つに分類されます。
(A)大動脈瘤;大動脈の正常径は胸部大動脈で30mm、腹部大動脈で20mmですが、大動脈が正常径の1.5倍(胸部45mm、腹部30mm)以上で大動脈瘤と診断されます。破裂するまでは無症状のことがほとんどですが、破裂すると大量出血によるショック状態となり、緊急手術が必要ですが、致死率の極めて高い疾患です。大動脈瘤は大きいほど破裂の危険が高いため、胸部大動脈瘤では5.5cm、腹部大動脈瘤では5cmを治療の目安としています。その他、動脈瘤の形態や、拡大傾向の有無などにより、未破裂の動脈瘤に対しては、治療適応を決定していきます。
(B)大動脈解離;大動脈壁の内側に突然と亀裂が発生し、大動脈壁内に血流が流入する疾患です。大動脈壁自体に血流が入り、血管壁が避けてゆくために発生する激烈な胸背部痛で発症します。大動脈破裂や、大動脈から分岐する血管の血流障害を発生する危険があります。心臓から連続する上行大動脈に解離が発生した場合には、緊急手術が必要となります。早期診断と治療が救命には重要です。

(2)治療方法には(A)外科手術人工血管置換術(Open aortic repair:OAR)、(B)カテーテル的ステントグラフト治療、(C)外科手術とステントグラフトを組み合わせたオ-プンステントグラフト法があります。
当院における大動脈疾患の治療は、外科手術、ステントグラフト治療、Open stent法を患者さんごとに適切に選択して施行し、良好な成績を得ています。

(A) 外科手術;人工血管置換術

病変部位の大動脈を人工血管に置換します。胸部大動脈瘤に対する人工血管置換術(図1)、人工心肺装置が必要です。人工血管置換操作時には、心臓停止や、大動脈から分岐する血管(頸動脈など)に血流を送りながら手術するのに人工心肺装置を使用します。一般的な腹部大動脈瘤の外科手術(図2)には心肺装置は必要ありません。

(B) カテーテル的ステントグラフト治療

 大動脈瘤をカテーテル的に治療するステントグラフト(Stent graft:SG)内挿術は、アルゼンチンのParodi医師らが手作りのステントグラフトで1990年9月6日に腹部大動脈瘤に対して世界で初めて施行しました。ステントグラフトは、ステントと人工血管(グラフト)が一体化しており、カテーテル的に大動脈内側に導いて、大動脈内側でステントグラフトを拡張して固定し、大動脈瘤に血流や血圧がかからない病態とし、瘤拡大および破裂を予防する治療です。
現在、ステントグラフトは医師の手作り(図3)から企業製へと移行し、腹部大動脈瘤(図4)のみならず胸部大動脈瘤(図5)に対しても施行され、世界的に普及しています。
ステントグラフト内挿術は、基本は鼠径部(太ももの付け根)の皮下に存在する大腿等脈からカテ-テル的に大動脈瘤内にステントグラフトを留置し、腹部や胸部を大きく外科的切開を施行する必要がありません。したがって患者さんの負担も少なく、体力がない患者さんにも施行が可能です。



(C) オ-プンステント(Open stent)法(図6)

胸部大動脈瘤が頭部への分枝(頸動脈など)に近く存在する場合の治療法の一つです。
通常の人工血管置換法では、大動脈瘤より末梢に人工血管を縫合する必要がありますが、ステントグラフトを血管内に留置することで血管吻合に代えることができます。これにより手術時間は短縮し、種々の合併症発生リスクを軽減できます。
この方法は約10年前から、医師自作のステントグラフトで試されてきました。その後、手術手技は改良され、この方法の問題点も解決されつつあり、治療方法の一つとして認められてきました。治療に必要なステントグラフトは、かつて医師の手作りでしたが、2014年から本邦では商品化されたオ-プンステントグラフトを使用が可能となりました。これをうけて当院でも、この治療方法を導入しました(図7)。



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