没後40年記念 三島由紀夫と現代社会
三島由紀夫が1970年に亡くなってから、40年の歳月が過ぎました。しかし、その作品は古びるどころか、2010年代を予見して書かれているようにさえ見えます。この講座では、三島作品の現代性に光を当て、日本社会の「これから」について三島から学んでいきます。
| 日時 | 平成23年07月02日〜平成23年08月06日 土曜日 14:00〜16:00 (全5回) |
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| 会場 | 横浜市山内図書館 (横浜市青葉区あざみ野2-3-2) |
| 講師 | 横浜市立大学 非常勤講師 助川幸逸郎 |
| 受講対象 |
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| 受講料 | 全5回 6,000円 (部分受講可 各回 1,500円) |
プログラム
第1回 7月2日(土) 14:00〜16:00
「『金閣寺』とは何だったのか?」
『金閣寺』は、三島の代表作といえる小説です。同時に、三島が時代と幸福な関係を結んでいた時期の終焉をつげる作品でもあります。三島が「金閣寺」に託した意味は何だったのか――そのことを考えながら、「高度経済成長期に失われた、日本の可能性」を検討します。
(この回で主に扱うテクスト『金閣寺』・『青の時代』)
第2回 7月9日(土) 14:00〜16:00
「『天才エンターテイナー』の憂鬱」
三島は、のちに作家となる阿部譲二をモデルにした『複雑な彼』をはじめ、すぐれた娯楽小説を幾つも残しています。また、「週刊明星」に連載されたエッセイ・『不道徳教育講座』は、皮肉とユーモアにあふれ、文学に関心のない読者をもひきつけます。しかし三島は、こうした「娯楽読み物」を書くのに発揮されている手腕を、純文学作品では活用しませんでした。三島をモデルケースとして、近代日本における「純文学」の位置づけとその将来を考えます。
(この回で主に扱うテクスト『複雑な彼』・『不道徳教育講座』・『音楽』)
第3回 7月16日(土) 14:00〜16:00
「『スター・ミシマ』の優雅ならざる日々」
『鏡子の家』の失敗で挫折感を味わった後の三島は、ボディビルで体を鍛え、映画に主演するなど、「現実世界で満たされること」を求めるようになりました。もともとは、書物と空想の世界に生きる「おたく体質」の青年であったはずの彼が、何を求めて方向転換を図ったのか。それを見とどけることで、日本のサブカルチュアの二大潮流である「おたく文化」と「ヤンキー文化」の「これまで」と「これから」を考えます。
(この回で主に扱うテクスト『鏡子の家』・『仮面の告白』・『太陽と鉄』)
第4回 7月30日(土) 14:00〜16:00
「『文化防衛論』と二つのナショナリズム」
ナショナリズムには、「機能的で強大な国家をつくることで、国民に多くの冨を分配すること」を目標とするものと、「土着の価値を守ることで、国民の生きやすい社会をつくること」を目指すものと、二つのタイプがあります。この二つはしばしば混同されますが、三島はその違いに鋭敏でした。三島「政治活動」の真の目的を検討しつつ、これからの日本がめざすべき方向性について考えます。
(この回で主に扱うテクスト『文化防衛論』・『英霊の声』・『蘭陵王』)
第5回 8月6日(土) 14:00〜16:00
「劇場人・三島由紀夫」
三島は、幼い頃から舞台芸術に親しみ、歌舞伎や現代劇の台本も執筆しています。彼の小説に優るとも劣らない評価を得ているそれらの舞台作品は、フランス古典劇(ラシーヌ)や日本の能楽、歌舞伎など、東西の「過去の名作」を下敷きに書かれています。三島の、日本の近代作家には珍しい「伝統主義者」としての側面を見ていきながら、これからの日本人が、過去の伝統とどのように向きあうべきかを検討します。
(この回で主に扱うテクスト『サド侯爵夫人』・『近代能楽集』・『椿説弓張月』)
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