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第24回日本MRS年次大会で若手奨励賞を受賞した嘉藤さん

2014年12月、横浜市で開催された「第24回日本MRS年次大会」で、生命ナノシステム科学研究科修士課程1年の嘉藤恭平さんが、若手奨励賞を受賞しました。
嘉藤さんに、今回の受賞について伺いました。

今回の大会では、どのような内容を発表されたのでしょうか?

第24回日本MRS年次大会では、「DAC(Diamond Anvil Cell)と呼ばれる高圧発生装置を用いて新物質のフラーレン(C60)溶媒和ナノ結晶の圧力誘起相転移」に関する口頭発表を行いました。
DACとは、ダイヤモンドの高硬度特性を生かした圧力発生装置で、数十GPa(数万気圧)といった非常に高い圧力を試料にかけることができます。一方、フラーレン(C60)とは、1985年に発見された炭素原子60個から構成されるサッカーボール状のユニークな構造をもつ物質であり、その発見に対し1996年にはノーベル化学賞も与えられています。近年では、溶液法によって得られるフラーレン溶媒和ナノ結晶が、その特異な形状と構造から次世代材料として注目を集めています。本研究では、フラーレン結晶にフェロセン分子が溶媒和したC60(フェロセン)2ナノシートを作製し、DACによる高圧実験を行いました。
高圧実験において、フラーレン結晶の構造変化を詳しく見ることにより、フラーレン(C60)分子のポリマー化が誘起される条件を見つけ出し、ポリマー化制御や構造の詳細を調べました。今回の学会では、ラマン分光法や透過型電子顕微鏡法など様々な手法を用いた解析から、高圧にともなう試料の構造変化を考察し、高圧誘起によるポリマー相の構造を提案したことが、受賞につながったのだと思います。
日頃からご指導いただいている橘先生、そして研究室メンバーに感謝致します。

大会に参加された際の感想、エピソード等あれば、お聞かせください。

今大会は、研究のバックグラウンドがある程度重なる方々が集まる大会だったので、高いレベルでの議論の場となりました。本研究で用いた試料や、解析手法に詳しい方々が会場にお見えになられたため、発表前には考察に関するアドバイスを頂くこともできました。また、発表後にも今後の実験の方向性や、実験における注意事項などを議論することができ、このような有意義な議論の場に参加できたことは、貴重な経験となりました。

大会に参加するに当たって、事前準備など特に意識した点や工夫した点があれば、お聞かせください。

報告したい内容はまとまっていたため、あとは自分の研究に関してある程度の理解をされている方々に、どのように簡潔に詳しく実験内容と本研究の興味深い部分を伝えれば良いかを意識しました。具体的には、研究背景や試料作製方法などは説明を端的にまとめ、実験結果を少し細かく時間をとって説明できるように資料作成を行いました。

研究室では普段どのような研究・勉強をされているのでしょうか?

現在は、今回の大会でも発表したようにDACを用いた高圧実験を主に行っており、研究室で作製している新規炭素材料や、たんぱく質結晶などを初期試料とし、圧力にともなう構造変化の観察を進めています。
普段は、実験を進めながら気になる論文を読み、自分が知りたいと思って興味を持ったものに関しては時間を割いて知識の幅を広げるようにしています。
また、橘研究室では他の学生も、様々な先進材料の研究を進めています。先生のサポートもあり、とても充実した環境の研究室だと思っています。そのため、自分の研究テーマ以外も非常に興味深く、積極的に議論にも参加しています。
さらに、橘研究室では、他の研究室の先生や学生との交流も積極的進めており、楽しく有意義な研究室生活を送ることができています。

研究・勉強の中で苦労することや大変なことはありますか?

DACを用いた高圧実験は、研究室において最近始められた研究テーマであり、先輩方の先行研究や、装置利用の知識がなかったため、一から試行錯誤しながらの研究となりました。今では新しい実験に取りかかれるほどの知識を得ることができました。自分一人で考えなければならないことが多く苦労しましたが、その分、力もついた気がします。また、専門性の高い方々が集まる学会への参加や、共同研究先へ訪問することが、研究を進める上でとても重要と思っています。

将来の夢や、目標があれば教えてください。

まずは今自分のできる基礎研究を楽しみながら、全力で取り組むことが大事だと思っています。炭素材料は今後も重要な材料となっていくことは、間違いないと思います。将来炭素材料が広く応用される際の知見に、少しでも貢献できるように結果を残していくことが今の目標です。

橘勝教授からのコメント

今回の奨励賞の対象にもなった高圧実験というと、物質に圧力をかけるだけだと思う方もおられるかもしれませんが、そんな簡単なものではありません。僅か0.5 mmにも満たない径のダイヤモンドの試料室に、フラーレン結晶、圧力校正用ルビーボール、圧力媒体を詰め込むことになります。かなりの職人的な手先の器用さが求められます。嘉藤君は、学部時代は体育会バスケット部に所属し、まさに体格がよいです。一見そんな繊細な実験ができるように見えないのですが、もともとの手先の器用さもあってか、人並み以上に繊細な実験ができます。まさに今回の実験も彼だからこそできた実験と言っても良いでしょう。さらに、彼の日頃の実験や研究に対する態度は、素直で素朴で何より純粋なのが良いです。また、国際会議や学会へも私から言われる前に自ら進んで参加希望を伝えてくるような大変積極的な学生です。まだ修士課程1年生なので今後さらに多くの成果を出してくれることを期待しています。

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