ナビゲーションをスキップして本文へ
  • English
  • 日本語
  • 簡体中文
  • 繁体中文
  • Korean
  • 通常版
  • テキスト版
  • 交通・キャンパス案内
  • 資料請求
  • お問合せ
  • サイトマップ

研究者検索

学生生活


ここから本文

HOME > 学生生活 > 第19回日本病態プロテアーゼ学会学術集会でYoung Investigators Awardを受賞した石川さん

第19回日本病態プロテアーゼ学会学術集会でYoung Investigators Awardを受賞した石川さん

2014年8月8日〜9日、大阪府豊中市で開催された「第19回日本病態プロテアーゼ学会学術集会」で、生命ナノシステム科学研究科博士前期課程2年生の石川智弘さん(東昌市研究室)が、Young Investigators Award(若手研究者奨励賞)を受賞しました。
受賞した石川さんに、研究内容について伺いました。

がん転移の原因となるタンパク質を特定

今回私は“MMP-7により切断修飾を受ける細胞表層タンパク質の同定”というテーマで発表したのですが、内容はMMP-7というタンパク質分解酵素により、がん転移が促進される仕組みを解明する第一歩として、がん細胞の表面に存在するタンパク質のうち、MMP-7によって特異的に切断されるものを探し出したというものでした。このタンパク質がMMP-7で切断されると、がん細胞同士が接着して塊となり、それが引き金になって転移が促進されることから、その原因となるタンパク質を探し出したことが評価されました。
学会では、多くの研究者の方々とお話することができた上、私の研究についてもアドバイスを頂けるなど、大変有意義な時間を過ごすことができました。

がん細胞同士が接着し、大きな塊を形成

がんが転移する際には、組織内浸潤を起こしたがん細胞が血管やリンパ管に到達し、血液やリンパ液の流れに乗って移動した後、転移する先の臓器で再び増殖します。これらの過程を経て転移するには、血管内のがん細胞が再び血管外へ移動することが必要になります。しかし、流れの速い血管ではがん細胞が血管壁にとり付き、外へ移動することは容易ではありません。
私達の研究室では、がん細胞をMMP-7で処理すると、がん細胞同士が接着し、大きな塊を形成することを見出しました。おそらくがん細胞が血管内で塊になることにより、毛細血管などの細い血管に留まり易くなり、その部位から血管外へ移動して転移巣を形成するのではないかと考えています。実際、大腸がん細胞をMMP-7で処理することにより、肝臓への転移能が著しく促進されることを見出しています。
私はMMP-7が、がん細胞表面のどのタンパク質に作用して、どのようなメカニズムでがん細胞同士が接着するのかを明らかにすべく日々研究を行っています。

細胞を用いた実験は状態のチェックが重要

私の研究は基本的に細胞を使った実験がメインですが、細胞は放っておくと性格(挙動)が変わってしまうため、常に状態をチェックしながら実験を行わなければなりません。特に私の研究で主に使用している細胞は培養方法が他の細胞とは少し異なり、状態の維持が難しく、慣れるまでは苦労しました。

東昌市准教授からのコメント

私達の研究室では、ここ10年くらいの間に、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)の一つであるMMP-7が、がん細胞に作用すると、転移を起こす能力が顕著に高まることを見出してきました。また、MMP-7はがん細胞表面に存在するコレステロール硫酸という脂質に結合しながら細胞表面のタンパク質を切断し、それが転移促進の引き金となることも明らかにしました。しかし、細胞膜タンパク質は極めて微量であることから、その解析は難しく、どのタンパク質がMMP-7に切断されるのかについては、長い間不明のままでした。
今回、本学生命医科学研究科の平野久先生ならびに木村弥生先生のお力添えにより、質量分析によるタンパク質解析を行った結果、MMP-7により切断される細胞表面タンパク質の一つを同定することが出来ました。
今回は、石川君にとって初めての学会発表だったのですが、そこで研究成果を評価頂き受賞したことは、本人が現在のテーマで研究を続けることへの自信につながったのではないかと思います。石川君は博士後期課程への進学を希望していますので、これからも研究上の困難に立ち向かい、大きな成果につなげて欲しいと思っています。

ページトップへ