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ザンビアで医学部看護学科生が衛生・栄養の啓発活動―アフリカへの海外FWで現地の医療事情も視察―

医学部看護学科の学生7人が、2014年3月15日から22日まで、途上国での海外フィールドワークとして、井上聡准教授引率の下、アフリカのザンビア共和国を訪れ、現地の医療事情を視察するとともに、小学校で「保健衛生と栄養」に関する啓発活動を行いました。2013年3月にも本学看護学科生のザンビア訪問を行いましたが、施設見学が主体であった前回に比べ今回はより積極的な活動を行うことを目標にしました。我が国のアライアンス・フォーラム財団や横浜に縁のある民間企業の方たちも同行する企画となりました。

今回、ザンビアを訪れたのは、井上准教授が2010年4月から2012年2月まで、本学大学院医学研究科修士課程で、ザンビア大学薬学部からの留学生Ellah Zinganiさんを受け入れ、マラリア対策の現状に関する疫学研究について、指導を行ったことがきっかけでした。

学生からは、「初めての海外旅行で、しかもアフリカということで親の大反対を押し切っての参加でしたが、自分の中で世界が何倍にも広がったように感じました。これまで自分がいかに恵まれた生活をおくっていたかを痛感し、このフィールドワークに参加しなかったら、自分はいつまでも周りから何でも提供されて、流れに身を任せる“ぬるい気持ち”しか持っていなかったと感じました。これからは身を引き締めて、自ら学ぶ姿勢を大切にしていきたいと思います」との感想が出されるなど、貴重な体験となった様子でした。

平均寿命は52歳、マラリアなどの疾患が要因

ザンビアはアフリカ南部に位置し、面積は75万平方キロメートル(日本の2倍)、人口は1300万人。平均寿命は52歳、HIV、感染性呼吸器疾患、マラリア、下痢性疾患が主な死因で、保健医療従事者の慢性的な不足や、ぜい弱な保健システムが問題となっています。

ザンビアでは、保健衛生の概念が広がっておらず、正しい栄養や衛生に関する知識の不足が原因の疾病で命を落とす子どもたちが後を絶たないということです。そうした中、本学医学部とザンビア大学医学部では、MOU(交流協定)を締結し、ザンビア国内におけるマラリア診療の状況を把握するとともに、耐性マラリアについての共同研究を進めています。

井上准教授は「ザンビアでは、看護師など医療スタッフの人員・経験・技量の不足のほか、資金・医薬品など“ヒト・モノ・カネ”のすべてが足りない」と指摘しています。その上で、「ザンビア大学の医学部(医学科、看護学科、薬学科)は、卒業生の半数以上が待遇の良い海外へ流出しており、資格を持った医療従事者不足に加えHIVなどの感染症のまん延など、公衆衛生に関する多くの課題を抱えています」ということで、これらの対策が急務だと訴えていました。

現地の小学生に手洗い、歯磨き、栄養指導

学生たちは3月15日、成田からドバイを経由し、16日にザンビアの首都ルサカに入りました。17日はJICAの現地活動施設を訪問、18日にはアライアンス・フォーラム財団が栄養改善事業を実施してきたルサカ近郊のマテロナコミュニティスクール(小中学校)を訪問し、同財団との共同企画として、栄養・衛生指導など、生徒との交流を行いました。

「保健衛生と栄養の指導」と題したセミナーでは、学生7名が小学校4年生から中学校3年生の約60名の生徒たちに、栄養、歯磨き、手洗いの重要性を教えました。学生は「発表は思った通りにはいきませんでしたが、子どもたちは積極的に参加し、興味をもってくれました。準備したこと、伝えたいことが子どもたちに伝わって、達成感を感じることができました。今後はどのように継続してもらうかも重要だと思います」と感想を述べていました。

セミナーでは、大きな栄養素分類表を使い、ボードゲームを通して身近な食物が含む栄養素について学んだり、歯磨きは紙芝居、手洗いは歌と劇という方法で、子供達が退屈しないよう工夫を凝らしたということです。学生は「手洗いや歯磨きは時々、自分たちが食べているものが身体にどのように使われているか知らない感じでしたが、今回のセミナーを通じて清潔な習慣や栄養についての知識が少しでもついてくれれば」と語っていました。

英語での発表でその必要性を痛感

今回のセミナーは、英語での発表ということで、学生たちも戸惑いがあったようでしたが、「当日はとても緊張し、出来るかどうか不安でしたが、通訳の方が子どもたちに上手に伝えてくれたおかげで、私たちの話を熱心に聞いてくれ、感激しました」や「英語がつたなくても動作で伝えるなど、工夫すれば相手に伝わることがわかりました」など、心配は杞憂に終わったようでした。そして、「今回のフィールドワークでは、改めて英語の必要性を感じました。海外で仕事をするには必要不可欠であり、これから英語の勉強をしようと思いました」という声も出るなど、作業言語としての英語の必要性を痛感した様子でした。

日本との医療事情の差に驚きの声

19日はザンビア大学医学部附属病院を訪問し、現地の医療事情を視察しました。学生からは「病院は空調がなく、ハエや蚊が飛び交っており、どの子も栄養失調で苦しんでいる姿を見て、この国の現実を垣間見ることができ、もっと学ぶことがあると思いました」や「貧富の差が激しく、物資や資金も満足でないため、思い通りには行かないことが多く、衛生環境も普段、日本で過ごしている私たちにとっては信じられない光景でした」など、日本の医療事情とは大きな差があったことについて、皆一様に驚きの声を挙げていました。

また、市場には食物が山積みにされている一方、栄養不良で入院する患者が多いことについては、「母親が栄養のことを深く考えずに子どもに食事を与えていることが原因ではないかと感じ、栄養に対する知識不足をなくすことが大切だと思いました」や「清潔な水の提供など必要なインフラの整備など、子どもたちだけでなく親や社会全体に広く啓発していくことが大切だと感じました」など、国を挙げての取組みも必要性を感じた様子でした。

地道な活動を持続させることが大切

今回のフィールドワークを通じて、学生からは「さまざまな価値観や人生観を認めることは、今後患者さんと接する際にも言えることなので、たくさんの価値観を知り、それを傾聴・受容していく中で、自分の価値観をしっかり持っていたいと思いました」との感想が出されるなど、貴重な体験となった様子でした。井上准教授は「アフリカへの渡航は、治安の問題に加えて、渡航費用も高額になるなどの課題がありますが、このような地道な活動を持続させていくことは、大切だと考えています」と話していました。
本研修は一部、アライアンスフォーラム財団からの支援を受けて行われました。
(2014.6.-広報担当)

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