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才津准教授ら研究グループが、四肢異常を伴う小眼球症候群の原因遺伝子を発見!

―眼球・四肢形成の新たな重要因子の同定―

横浜市立大学医学研究科・岡田一平(大学院生)・浜之上はるか(大学院生)・才津浩智准教授(遺伝学教室)らは、四肢異常を伴う小眼球症候群 (Microphthalmia with limb anormalies)の原因遺伝子を発見しました。この研究は、大阪バイオサイエンス研究所・古川貴久研究部長、大阪大学竹田潤二教授(環境・生体機能学)、沖縄県立南部医療センター・小児センターの當間隆也先生、及びレバノン・トルコの研究者らとの共同研究による成果であり、横浜市立大学先端医科学研究センターが推進している研究開発プロジェクトの成果のひとつです。

☆研究成果のポイント

○マイクロアレイを用いた全ゲノムSNPタイピングにより原因遺伝子同定に成功
SMOC1遺伝子はヒトの正常な眼や手足の形成に不可欠であり、機能喪失性ホモ接合性
変異が四肢異常を伴う小眼球症候群の原因となることを証明
Smoc1は発生段階の眼と手足で重要な機能を果たしていることをマウスで証明
○SMOC1はBMPシグナルを修飾することで、眼・手足の発生に関与する可能性を示唆

☆研究概要

四肢異常を伴う小眼球症候群 (Microphthalmia with limb anormalies, MLA)は、視神経の形成不全と小(無)眼球症に四肢 (手足の合指症や乏指症など)の異常を伴う常染色体劣性疾患です。共同研究グループは、マイクロアレイを用いた全ゲノムSNP*1 タイピングおよびマイクロサテライトマーカーを用いた連鎖解析*2 によって、3家系4症例に共通する原因遺伝子候補領域を第14番染色体上に決定し、この領域に位置するSMOC1遺伝子のホモ接合性変異を、4人の患者さん全てに同定しました。共同研究グループは、Smoc1がマウスに於いて形態形成期の眼や手足で発現していることを明らかにしました。また、Smoc1変異マウスでは、MLA患者で特徴的な視神経の形成不全と小眼球症、および合指症や腓骨の低形成などの四肢形成異常が認められました(図1)。さらに、発生上重要であるBMPシグナルの減少が、趾間部での細胞死の減少をもたらし、合指症を引き起こすことが強く示唆されました。
本研究はMLAの原因遺伝子を明らかにしたばかりでなく、これまで機能が良く知られていなかったSMOC1という分子が、ヒト及びマウスの正常な眼・手足の形成に不可欠であるということを示すものです。今後のMLAの病態の解明と、哺乳類の眼や手足の発生に関わるメカニズムの解析に大きく寄与することが期待されます。

(注釈)
*1 SNP: 1000塩基に1塩基の割合で見られるDNAの多様性で、個人差を表すマーカーの一つ。
*2 連鎖解析: 原因遺伝子が染色体のどこにあるかを、多型マーカーをもとに解析する方法。

図1

(上段)
Smoc1変異マウス(B,C)では、野生型マウス(A)に比べ視神経が極端に細くなっていることが分かる。MLA患者では、CT上、視神経が見られないことと一致する。




(下段)
Smoc1変異マウスでは、第2,3指の合指症(E),や第2-4指の合指症(F)などの異常が見られる。MLA患者では乏指症・合指症などが見られることと一致する。

※本研究成果は、米国の科学雑誌『The American Journal of Human Genetics』に掲載されます。(米国12月30日:日本時間12月31日オンライン発表)
※この研究は、厚生労働省、文部科学省、独立行政法人科学技術振興機構、日本学術振興会の研究補助金により行われました。