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HOME  >  研究成果  > 松本教授ら研究グループが、ウエスト症候群(難治性てんかん)の原因遺伝子の一つを発見!

松本教授ら研究グループが、ウエスト症候群(難治性てんかん)の原因遺伝子の一つを発見!

―病態解明に向けての新たな一歩―

横浜市立大学医学研究科・才津浩智准教授、松本直通教授(遺伝学教室)らは、髄鞘形成遅延を伴うウエスト症候群の原因遺伝子を発見しました。この研究は、国立病院機構西新潟中央病院小児科・遠山潤先生をはじめとする小児神経専門医グループ、横浜市立大学医学研究科・緒方一博教授(第一生化学教室)、浜松医科大学・福田敦夫教授(生理学第一講座)らとの共同研究による成果であり、横浜市立大学先端医科学研究センターが推進している研究開発プロジェクトの成果のひとつです。

☆研究成果のポイント

○全ゲノムマイクロアレイを用いた染色体構造異常のスクリーニングにより遺伝子単離に成功
○SPTAN1遺伝子のヘテロ接合性変異が髄鞘形成遅延を伴うウエスト症候群の原因
○変異α-IIスペクトリンとβ-II スペクトリンのヘテロダイマーは細胞内で凝集している
○神経細胞における軸索起始部の異常がウエスト症候群の発症に関与している可能性を示唆

☆研究概要

ウエスト症候群は、シリーズ形成性の短い点頭発作と脳波上のヒプスアリスミアを特徴とする精神運動発達遅滞を伴う難治性のてんかんです。
共同研究グループは、全ゲノムマイクロアレイを用いて、髄鞘形成遅延を伴う新生児〜乳児期発症の難治性てんかんの女児症例において第9番染色体上の微細欠失を同定しました。この領域に位置するSPTAN1遺伝子について、髄鞘形成遅延を伴うウエスト症候群患者で遺伝子変異を調べたところ、2人の患者さんで新生突然変異を認めました(図1)。SPTAN1遺伝子は細胞構造の維持と膜タンパクの局在化に関わることが知られているα-IIスペクトリンをコードします。共同研究グループは、患者さんで見つかった変異を有するα-IIスペクトリンとβ-II スペクトリンとのヘテロダイマーは構造的に不安定で、患者さんの細胞内で凝集していることを明らかにしました。更に、変異α-IIスペクトリンをマウス神経細胞に発現させたところ、神経細胞の軸索起始部におけるナトリウムチャネルの集積が障害されることを明らかにしました。
本発見は、髄鞘形成遅延を伴うウエスト症候群の原因遺伝子を明らかにしたばかりでなく、神経細胞における軸索起始部の異常がウエスト症候群の発症に関与している可能性を示唆するものです。今後、ウエスト症候群の病態の理解がすすみ、本疾患の新しい治療法の開発に大きく寄与することが期待されます。

図1

髄鞘形成遅延を伴うウエスト症候群患者2名で認められた、遺伝子変異によるアミノ酸の挿入あるいは欠失。変異はα-IIスペクトリンとβ-II スペクトリンのヘテロダイマー形成開始部位(両矢印)に認められた。

※本研究成果は、米国の科学雑誌『American Journal of Human Genetics』に掲載されます。
※この研究は、厚生労働省、文部科学省、独立行政法人科学技術振興機構、日本学術振興会の研究補助金により行われました。