先端医科学研究センター先端医科学研究センター
search

【開催概要】市民講座「臓器再生への展望~治らない、その病気から救いたい~」

2014.10.31
  • TOPICS
  • 講座・セミナー

臓器再生への展望 ~治らない、その病気から救いたい~

平成26年10月31日(金)開催概要

講師 : 武部貴則(横浜市立大学臓器再生医学准教授)

今回は、「臓器再生への展望~治らない、その病気から救いたい~」と題して、臓器再生医学の武部 貴則 准教授が講演しました。

講演はまず、多くの病気の最終像である臓器不全症や、臓器再生の研究を志すきっかけとなった臓器移植の現状について、写真や図を示しながらわかり易く説明していきました。
日本においても、海外においても、移植の待機患者に対して提供される臓器の数は絶対的に不足しており、臓器移植に替わる治療法の開発は急務でしたが、2006年に京都大学の山中伸弥教授が、さまざまな細胞へ変化させることのできる人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発に成功したことで、材料の問題は解決されました。
世界中の研究者がiPS細胞から“細胞”を作り出そうとしているのに対して、武部准教授の研究ではiPS細胞から“臓器”を作り出すことを目標としており、ヒトiPS細胞から自律的に立体的な肝臓の原基が作り出される革新的な三次元培養系を開発しました。
この製造コストは非常に安価で、肝移植待機患者の治療費をかなり削減できると考えており、臓器再生医療の展望について、治療効果に最適な移植手法の開発や大量製造法の開発、他の臓器への応用についての研究成果など、写真やイラストを示しながら解説され、基礎から臨床応用へ向けて日々努力しています、と締めくくりました。
また、武部准教授の取り組んでいる「広告のような伝え方を医療へ応用する-広告医学(AD-MED)の確立」についても触れ、受講者の方から「とてもエキサイティングな講座だった」「広告医学の必要性を感じた」「先生の熱意情熱に感動した」「先端医療の素晴らしさを再認した」というご感想をいただきました。
今後も当センターの研究成果情報を講座やWEBサイト、広報物等を通じて皆さまに公表していきますので、何卒よろしくお願いいたします。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加