YCU 横浜市立大学

大切なのは社会にどんなインパクトを生み出したいか考えること(有限責任監査法人トーマツ 白石今日美さん)

大切なのは社会にどんなインパクトを生み出したいか考えること(有限責任監査法人トーマツ 白石今日美さん)

白石今日美 白石 今日美さん

データを活用した仕事について教えて下さい

地方創生やODAなど、国内外の官公庁に関わるコンサルタント職の経験を生かし、現在は経済産業省 地域経済産業グループ 地域経済産業調査室に出向して係長職を務めています。担当業務は経済産業省と内閣官房が共同で提供している、地方創生のための官民ビッグデータシステム「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」の開発プロジェクトです。地方創生に向けて取り組むべき課題は人口減少への対策だけでなく、その鍵となる産業、観光、医療、雇用など、実に様々な課題へのアプローチが求められます。地方創生に取り組む方々が自身の地域の課題を見つけ、アクションプランを立案するには、データの効果的な利活用が不可欠です。「KKO(勘、経験、思い込み)」の政策立案ではなく、証拠に基づいた政策立案(EBPM[Evidence Based Policy Making])が可能になるよう、分かりやすいデータの可視化や多様なデータの集約を通して効果的にデータを利活用していただくための基盤を整えています。
表1 観光データ分析の例:国籍別の外国人訪問者数を神奈川県と東京都で比較。神奈川県はアジアだけでなく、アメリカからの訪問者割合も大きいのが特徴。

白石さんが考えるデータサイエンスの可能性は?

私自身はYCUを卒業後、メーカー企業のIT担当からキャリアをスタートさせました。3年間、顧客戦略やマーケティングにおけるIT戦略を担当し、個人情報を除いた顧客ビッグデータからどのような購買傾向を分析できるか、データから得られる分析結果をいかに製造プロセス等へ生かすかという観点からビッグデータ活用を検討したことが、データサイエンスとの最初の出会いでした。データの効果的な活用によって、人間の頭では思い付かないようなビジネスの成功・失敗要因の分析や、人の手では到底処理しきれない量の作業の効率化など、様々な可能性を見出すことができます。社会の課題もICT技術も加速度的に変容する現代において、データをサイエンスする力はとてもニーズの高いスキルになると感じています。


 
表2 人口データ分析の例:働き方関係指標のうち、通勤時間を使って合計特殊出生率との相関を分析。神奈川県(右側赤点)は通勤時間が長く、かつ合計特殊出生率が低い状態。

データサイエンス学部への期待は?

ビッグデータやAIが普及しつつある現代においても、AIにインプットさせるデータ、アウトプットさせる指標の両面が綿密に設計できていなければ、期待する成果は得られません。データサイエンティストには、データを正しく操る力のみならず、ビッグデータから何を得て、ビジネスや社会にどんなインパクトを生み出したいのかを考える力が必要だと感じています。さらに、様々なフィールドでデータを最大限に活用できる人材になるためには、データの基礎知識はもちろんのこと、コミュニケーション能力、イノベーションを起こす発想力、そして次世代に通用するビジネス力といったスキルが合わせて必要であり、これらを総合的に習得できるYCUのデータサイエンス学部は学びの場として素晴らしい環境であると思います。

YCUを目指す高校生へのメッセージをお願いします

メーカー企業のIT担当からコンサルタントに転身し、現在は霞ヶ関でお仕事をさせていただくチャンスにも恵まれました。目標としていたグローバルな仕事にも何度も巡り合うことができ、そしてODA、地方創生など、複雑で多様な課題解決が求められる業務にもとてもやりがいを持って取り組むことができています。今の自分があるのは、YCUのグローバル教育やリベラルアーツ教育によって、広い視野角を得られたことが大きいと折々で感じます。YCUへの入学を目指すみなさんが、将来、国際都市 横浜から大きく羽ばたき、縦横無尽に活躍されることを心から応援しています!



白石 今日美さん:2011年 横浜市立大学 国際総合科学部 国際教養学系 国際文化創造コース卒業。大手メーカーのIT部門に就職し、エンタープライズアーキテクチャなどのIT戦略立案に関わる。その後、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊に参加し、アフリカ・カメルーンでの生活を経験。帰国後はパブリックセクターコンサルタントに転身し、ODA(政府開発援助)や途上国開発、地方創生など、国内外の様々な官公庁案件において政策立案や産業振興、まちづくりなどに関わる。現在は有限責任監査法人トーマツ パブリックセクターアドバイザリーから経済産業省 地域経済産業グループ 地域経済産業調査室に出向し、地方創生のためのビッグデータシステム「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」の開発プロジェクトを担当。官民ビッグデータの活用に向けたプロジェクトを推進している。


(2017/8/25)

 

データサイエンス学部School of Data Science