YCU 横浜市立大学

「横浜市、企業とともに考えるデータサイエンスの未来」フォーラムを開催しました

「横浜市、企業とともに考えるデータサイエンスの未来」フォーラムを開催しました

横浜市立大学(以下、YCU)は9月1日(金)、横浜市と共催し、「横浜市、企業とともに考えるデータサイエンスの未来」を開催しました。会場となった横浜市開港記念会館には、2018年4月にYCUが開設する首都圏初のデータサイエンス学部に期待を寄せる企業などから266名が参加。データサイエンスを学んだ人材が、今後横浜市をはじめとする行政や産業界の発展にどう貢献できるか、行政や企業の関係者と活発な意見交換を行いました。 
岩崎学教授 データサイエンス推進センター長 岩崎学教授

講演1「データサイエンス学部構想および目指す人材像 」 

YCU窪田吉信学長の開会挨拶に次いで登壇したデータサイエンス推進センター長の岩崎学教授は「データサイエンス学部構想および目指す人材像」をテーマに講演しました。この中で岩崎教授は、ポジティブで精力的な取り組みを進めている横浜市にデータサイエンスを学ぶ環境が構築されることに大きな意味があると語りました。
「横浜市には多くの大企業が拠点を構えており、たくさんの情報が集まっています。またYCUには医学部があり、最先端の医療現場には膨大なデータが存在します。堅実な学生が多く、都心に近いながら落ち着いたロケーションであることなど、条件の揃った優れた環境下でデータサイエンスを学ぶことができます」とPR。
卒業時にはデータサイエンティストとしてひとり立ちできるレベルまで教育を行い、先の課程として社会人からのニーズにも応えるため、早期の大学院開設を目指していきたい考えを述べました。 
登壇者 増住敏彦氏 横浜市医療局長 増住敏彦氏

講演2「横浜市が推進する医療ビッグデータの活用」

共催者の横浜市からは、横浜市医療局長の増住敏彦氏が「横浜市が推進する医療ビッグデータの活用」について講演しました。
「横浜市の人口は2020年頃をピークに、以降は横ばいから減少傾向にあります。一層の高齢化社会を迎えて、医療への需要が高まることから、医療環境の充実が望まれます。有限の医療資源を効率的に活用するためには、国や横浜市の持つさまざまなビッグデータを分析して、医療や介護に生かしていきたいと考えています」と語ります。
現在、外部に委託しているデータ解析を市が自ら行うためには、データサイエンスを学んだ人材が必要であり、将来的には今後、開設されるであろう大学院の研究にも協力していきたいとYCUとの連携を深めていく考えを話しました。 
左から山中竹春教授、岩崎学教授、佐伯諭氏、齊藤岳彦氏、木村洋太氏、相原朋子氏 左から山中竹春教授、岩崎学教授、株式会社電通デジタル執行役員共同CDO 佐伯諭氏、イオンドットコム株式会社代表取締役社長 齊藤岳彦氏、株式会社横浜DeNAベイスターズ経営・IT戦略部長 木村洋太氏、株式会社NTTドコモスマートライフ推進部ビジネス基盤戦略担当部長 相原朋子氏

パネルディスカッション

続くパネルディスカッションではデータサイエンスを活用した事業に取り組む4社からパネリストをお招きし、「データサイエンスが拓く横浜の未来と横浜市大への期待」について話し合いました。データサイエンス推進センターの岩崎学教授・山中竹春教授がモデレーターとして登壇。

NTTドコモの相原朋子氏は、移動通信とデータサイエンスの関わりについて「携帯電話やスマートフォンをお使いのお客様に対して、よりよいサービスを提供するためにビッグデータを活用しています。また、個人情報の保護に十分配慮をした上で、どのような属性のお客様が基地局をどう移動したのかなど、行政や民間企業が必要とするデータを外部に提供することも行っています」などと語りました。

横浜DeNAベイスターズの木村洋太氏は、プロスポーツにおけるデータサイエンスの活用について「いままで把握できていなかった来場者の動向を取りまとめ、マーケティングに生かすことでファンや来場者の増加につながっています。また、ビッグデータやVR技術を活用して対戦相手のピッチャーのフォームなどを試合前にシミュレーションすることで、チーム力強化にも役立てられています。今後は、AI技術なども取り入れて、さらにチームのために生かせる仕組みを構築していきたい」と話しました。

イオンドットコムの齊藤岳彦氏は、スーパーストア事業におけるデータサイエンスの活用法について「健康づくりのためにショッピングセンター内を歩く『モールウォーキング』を推進しています。ウォーキングを継続することで、健康診断のデータや購買データがどのように変化するのか検証を進めています。将来的には、消費者がセルフチェックしたデータから、健康づくりにおすすめの商品を提案するなどのサービスにもつなげていきたい」と語りました。

電通デジタルの佐伯諭氏は、広告会社の立場からデータサイエンスの事例について「企業のホームページを訪れる方が、その前後にどんな検索ワードを使い、どう遷移したのかをビッグデータから分析すると、企業に対してどんな情報を求めているのかが把握できます。一方的に企業イメージを訴求するばかりでなく、商品に対する消費者の潜在ニーズを適切なコンタクトポイントで訴求することで、企業とユーザのよりよい関係を築くことにもつながる」といいます。

いずれの企業からも、データサイエンスの分野には大きな期待がかけられており、今後の事業推進にはデータサイエンスを学んだ優れた人材が必要だという考えが語られました。  
文部科学省大臣官房審議官の松尾泰樹氏 文部科学省大臣官房審議官 松尾泰樹氏

まとめ

文部科学省大臣官房審議官の松尾泰樹氏からは「私たちのまわりに膨大なデータがあることを改めて認識しました。これからはデータが我々の生活、そして社会を変えていく時代が訪れます。現在では思いつかないデータサイエンスの利活用法にチャレンジするなど、新しい考えを持った学生を育てていただきたいと思います。来年4月のデータサイエンス学部の開設に向け、より大きく発展して行かれることを祈念します」と熱いメッセージが送られました。

本フォーラムでは、データサイエンス分野に行政や企業かも大きな期待が寄せられ、最先端の知識や技術を持つ人材が早急に必要とされていること、さらに、知識を習得したり、研究できる環境の整備が広く求められていることを改めて共有することができました。 
 (2017/10/10)

データサイエンス学部School of Data Science