YCU 横浜市立大学

大学で何を学ぶか

本当に長い道のりでした。教養とは何であるか、そして、横浜市立大学の共通教養では教養を身につけるためにどう考えているかの説明をしてきました。

これをもう少し具体的に考えてみたいと思います。ここでは、おそらく大多数の人に当てはまる切実な問題を考えてみましょう。

それは「大学で何を学ぶのか」ということです。いま、これが解決しなければならない問題であるとしましょう。

答えは簡単です。要するに、やりたいこと(とりあえず、ここでは、何か学問、あるいは、専門ということにしましょう)をやればよいと、いうことになりますが、それを知るのにはどうしたらよいでしょうか?

総合講義をいくつかとってみて、詳しい立場の人の話を聞いてみるとよいかもしれません。なんとなく気になった、あるいは、話を聞いているうちに興味を持ったというものがあれば、それがおそらく候補になるものと関係があります。ここで、「メニュー」で提示されなくてもあきらめないことが肝心です。ひとつの学問を学ぶことは大切ですが、すでにある学問に自分の興味を合わせることもありません。それから、ずばり答えそのものが見つからなくても、答えに近いものを探っていくことで答えにたどり着くかもしれません。

いずれにしても、自分のやりたいことは自分にしかわからないので、自分で答えを出すしかありません。そして、気になること、興味のあることが「当たり」かどうかも自分で調べるよりありません。かっては自分が興味のあること思ったことが実ははずれだったということもよく経験することです。

さて、調べるのにはどうしたらよいでしょうか?とりあえず、インターネットを使う(そうしたら、パソコンも使うことになります)、図書館を使う、本を読む、人からヒントをもらうなどのやり方があります。もちろん、パソコン、インターネット、そして図書館の使い方(さらに、くどいようですが、本の読み方)を知らないといけないのですが、それらを知っていても、まだ不足です。

インターネットではキーワードを指定することで、数秒でいろいろな情報が得られますが、 どの情報をどの程度信用してよいかの判断が必要です。人から教えてもらうにしても、自分が何を教えてもらいたいのかを整理して伝えられないと、本当に自分の欲しいものは得られませんし、教えてもらったことの真偽についても、自分なりの判断を下す必要があります。

横浜市立大学の場合、パソコン、ネットの使い方なら、情報コミュニケーション入門で学べますし、調べたり、自分の考えを発表したり、質問したりする練習は教養ゼミで行います。

場合によっては、この時点で、自分のやりたいことが実は別のものだったということがわかったり、あるいは、もっと細かく調べる必要があったりすることがわかることもあります。散々調べて、問題認識の振り出しに戻るようなものですが、大抵の場合にはこういう形の試行錯誤はつきものです。

ひとついえるのは、もしも、いろいろな考え方ができて、自分の考えを客観的に検討することができたなら、試行錯誤はそれなりに減らすことができるのではないかということです。つまり、いろいろな立場からの検討がシミュレートできれば、自分の考え方の偏り、未熟さなどを未然に発見することができるからです。

それには、「世の中いろいろな考え方がある」ということを骨身にしみて理解する必要があります。そのためには、いろいろな立場の人のいる環境に自らの身をおいてみて、いろいろな人の考えにじかに触れることが必要です。そして、そのために、教養ゼミでは、いろいろな学部の学生を均等に集めて、専門の異なる2名の先生がクラスを担当しているのです。

こうして、最後に、問題を解決するための学問や専門に入るための土台となるような知識を基礎科学講義で学んでいきます。そして、コースでの専門教養の学修へつなげていくことになるのですが、ひとつの専門では自分の問題が解決できないこともあります。そういった場合、課題中心の科目である課題探究科目が何らかの助けになるかもしれません。そして、改めて基礎科学講義で知識を得る必要もあるかもしれません。

さて、以上は、国際総合科学部の学生なら当てはまる人が多いのではないかと思います。では、たとえば、医学や看護など、大学で学ぶことがらはおろか、将来の職業まで含めて決定済みの人にとってはどうなるのでしょうか。

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